第37話 孤独と孤独


「膀胱炎・・・痛いでしょ? 私の叔母がなって、大変だったって」


「ええ・・・あそこが私のバイト先で・・・夜はトイレを貸してもらっているんですが・・・」


「そう・・・でも我慢してしまうわよね・・・」


「しかも最近・・・ちょっとお客さんが増えてしまって・・・」


「そうね、私の職場でもあなたの事が噂になっているの、大変でしょ? もしかしたら食事も満足に出来ていないのじゃないの? 」


「え・・・ええ・・・・」


 忙しいのは良いことだが、全てを一人でやっている彼女にとっては、削る時間はそこになってしまう。

「トイレがちゃんとある普通のお家が良いわよ。それにここは寒いでしょ? 病気の人には良くないわ、温かくないと」

「でもそうすると、他の方に迷惑がかかってしまうので・・・」

「そうか・・・・」

「でも・・・本当にありがとうございます・・・」

ぽろっと占い師から涙が流れた。


「泣かないで、泣かないで、安静にしていてね」

と言いながら、ふと口から出た。


「私・・・家を借りようかしら・・・そこで一緒に・・・」


「え! 」

占い師の明るい声がした。



「あなた家を出た方が良いと言っていたから、私も一人暮らしを始めてみようと、時々不動産のサイトを見ていたの。で・・・良いと思えた家があって、でも一人では広すぎるかなと思って」


「本当ですか・・・・

あの! 家賃は私が全額払います!!!!

すいませんが・・・

そうして下さると本当に助かります。私ここはツテで借りて、でもその方が亡くなってしまったので、家を新しく借りることも難しくなってしまって・・・」


「そう、じゃあウインウインみたいね」


人と人、二人の信頼は不思議なほどに完成されていた。

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