第24話 幼い頃


「すいません、同じ布団で・・・」

「いいのよ、小さい頃を思い出すわ」

「そうですね、私も従兄弟達と・・・」

「そうね・・・それ以来かな・・・・・」

二人で一人用の布団に寝ることになった。毛布の臭いが気にはなったが、それ以上に二人で真っ先に感じたことがあった。


「暖かい・・・」


人の温もりというのはこんなにも有り難い物ものかと思った。兄嫁が「赤ちゃんと一緒に寝ると、幸せなくらい本当にあったかいのよ」と言っていたが、Y子さんも、きっと占い師も、大きくなっては経験が無いために、寒い家の中本当に感動できる事実だった。

 

「結婚って・・・省エネなんですね」

と占い師が急に言ったので、Y子さんは吹き出すように「ハハハハハ、面白いこと言うのね」と笑ってしまった。

「そう、省エネね。結婚って、あなたの仕事にとって重要な部分よね、ここそういえば、私もそのことであなたの所に来たんだったわ」


「あなたは・・・すいません、ここでは詳しいことは・・・占いは真剣にやりたいので」

「いいのよ、それはそれ。でも結婚って不思議よね、どうしてそんな制度が生まれたのかしら、世界各国に結局あるのよね」

「成人するために時間がかかる人間のための、独特の制度です」

「でも、動物もあるわよね。一生涯同じ相手と過ごす種もあるし、毎年相手が違う場合もある。思うのよ、浮気をずっと続けている人ってそういう動物の部分を持っているんじゃないかって」


「浮気をする人ですか・・・確かに困りますよね。結婚という法には禁じられている事ですから。でも・・・法律は破る人のために作られたものですから」

「え? どういうこと? 」

「皆がゴミを捨てなければ、不法投棄で罰金が科せられる法律はできませんから」

「なるほど・・・あなたは・・・すごく頭が良いのね」

「いえ、そんなに・・・考えることと・・・占いの・・・・」


占い師がうとうとし始めたので、二人はおやすみなさいと言い合って眠りについた。



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