第22話 お菓子

彼女は無人島から帰ってきた人のように、黙々とお菓子を食べて、それ以外はずっと話していた。


「わたし、小さい頃からいわゆる「見える」体質でした。そのことで色々怖い目にも遭って・・・でも中学生になった時、タロット占いを覚えて、それが当たると学校中で評判になりました。ちょっと人気者になって、まあ有頂天だったのかもしれません、そのまま高校に行くと今度は・・・その・・・恋愛を占ったら人間関係がめちゃめちゃにこじれてしまって・・・・学校に行きたくなくなったんです。卒業だけはなんとかしたけれど、進学も就職も出来なかったんです。

そんなとき、遠い親類の人で、要は霊能力の修行を受けた方がいたので、そこで修行をしました。それからは・・・占いに没頭して・・・でも・・・その頃から言われていたんです・・・「霊の言うことを聞きすぎる、多少は無視をしないと持たないぞ」って。でも・・・どうしてもそのことが・・・上手くいかなくて・・・気が付いたら占いで稼いだお金を、自分が知らない間に使っていたりするんです。洋服を買ったり、モノを買ったり・・・」


「実は今日、あなたが国道を横断しているのを見たの。誰かを介助しているみたいに見えたわ」

「あれは・・・あの人達は良いんです。そのまま成仏してくれたみたいです。逆にあれをしないと、私ずるずると・・・・・」

「つまり・・・悪い霊に」

「し!! その言葉禁句です!!! 性格がわ・・・あ!! 」

「ごめんなさい」

「いえ・・・大丈夫みたいです。本当にイルミネーションの方にいっているみたい」

「光が好きなの? 」

「そういうわけでは・・・きっと人恋しいんでしょう・・・・・」

幽霊も元々人であると、Y子さんは痛感した。

「別の話・・・しましょうか・・・」さすがに占い師は、彼らの心理、行動よくわかっていた」

「そうね、このかりんとう私大好きなの、レーズンが入っていて」

「美味しいですね、私初めて食べました。このところ・・・自分の好みで無いものも食べていたので」

占い師はかなりの重傷のようだった。


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