怒 はじめてのラブレター

ひとつ屋根の下 譲れないものごと

君との間に増えていく乱暴な言葉


僕をわかってくれよといいながら

君をわかってあげられないのも 僕

それが腹立たしくて部屋にこもって

何が正解で何が間違いかもわからない

どうしようもない感情を書き溜めて


こんなの書くだけでは仕方ないんだ

君に伝えられなきゃ意味がないのに

悔しいほど僕は素直になれなくて

君を悲しませてばかりいて ごめん

難しいことはわかんないよと君がいう

学ぼうとしないからだろと僕がいう

そんな言い方したくはなかったな

僕らに 強いも弱いも ないはずだ


僕の口はいつもなんだか捻じ曲がる

自分の口が嫌いなんだ 話すのも苦手 

口下手というのは 逃げ道でしかない


だったらせめて何か伝えられないかと

この手紙を書きためる 伝えたいことを

書き溜めて 詰め込んで 僕の気持ち


生まれてはじめて書いた ラブレター

ごめんねを詰め込んだ ラブレター

痛い優しさを詰め込んだ ラブレター


読みおわった君が ぽろり涙こぼして

泣き虫だなって 笑ったら涙が溢れて

あなたも泣き虫だって 返されちゃった

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