第■■話

2021年 ■■月■■日 ■■回目


何度こうやって日記を書くのだろうか、何回彼女が消えていくのを眺めるのか、わからない。

助けられる確率なんてあるようでないんだ、そうは思うが見捨てられない。

彼女が僕を作ったからだ、彼女が僕に人間性や考え方を与えてくれたんだ。

僕ではない二人分の記憶がある、僕にまともに生きれるようにしてくれたのか彼女だ。

この事を彼女に言っても「そんなつもりはなかった」なんて言うと思う。でも僕は彼女からすべてを受け継いだ

いや、僕は彼女の劣化品だ。

こんな文章を書いているがそんな時間なんて本当はないのに書きたいと思ってしまう、ただ彼女という存在を、いや僕という存在を残しておきたいだけなのだと思う。

すべてを思い出し、そして新しい日記を書き残す、それがもう習慣になっていた、そんなことをする時間もないのに、何度も書いてしまう。

本当は僕も彼女のように消えるのが怖いのだと思う、雪のように誰にも見られず、孤独に消える。それはとても寂しいことだ、そしてとても残酷だ。

僕にとっては耐えられないことだ、でもこんなことを僕が思っては行けない、なぜなら彼女は僕のせいでそんな状態で消えたからだ。

明日、今日、いつ消えるかわからない日々、僕だって明日消えるかもしれない、今日かも知れない、なのにこうやって日記を書く、僕はバカな奴だ。

こうやって書いてるうちにまた物語は進んで行く、ゆっくりでも早くでもなくその間ぐらいの速さで。

今思うと彼女と出会う前の絶望でも希望でもどちらとも言えない平凡よりも、彼女と過ごして感じた希望や絶望の方がどんなに絶望だとしても楽しかった気がした。

どんな絶望も彼女が居れば希望となった、どんどん忘れていく。忘れたくない、でも移り変わる。

何度も抗わないと行けない、何度も助けてないと行けない、最初に戻って彼女が死ぬという未来を知っているのは僕だけなのだから。

ここまで書いたら次の僕はどこまで行けるのだろうか、もしかしたらここまで来れずに死ぬかも知れない、それでも僕は彼女に救済をお返ししないと行けない。

そして■回目はどうなるか、そして兎やその他の人たちは僕と■■■■のどちら付くか、考えたくもないことはいくつもあるが、進まなくちゃ行けない。

そろそろこの文章を書くのを終える。あとは先の僕に任せることにする、あとは任せたよグリーム・リーパーであり三月 天兎 (みつき てと)である僕に。





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