第51話 準決勝 ~VSビフレスト~ ⑥
「戦いはここからだ!」
(とは言ったものの、
レオネスが動く。
「無駄だ! アースブレイカー!」
クラースは拳に魔力を溜め、地面に叩きつけ魔力を開放し、衝撃波を巻き起こす。
アースブレイカーの衝撃波により、
距離を詰めるレオネスだが、アースブレイカーの衝撃に動きを止める。
その隙を突き、クラースが攻撃の間合いへと入る。
「もらった!」
クラースは横薙ぎを繰り出し、レオネスは防御してクラースの剣を受け止める。
クラースの剣を弾き、攻勢に転じるレオネス。
レオネスはアルハザード流・
闘気をまとった連続の斬撃を繰り出し、クラースは同じく連続攻撃を繰り出し相殺する。
「アークスラッシュ!」
レオネスの闘気とクラースの魔力が激しくぶつかり、レオネス、クラース共に弾かれ、距離を取る形となる。
連続攻撃の応酬によりレオネスの剣にはヒビが入っていた。
「新しい剣も限界のようだな」
「心配ないさ」
レオネスはひび割れた剣を捨て、新しい
さらにもう一本の剣を精製し、レオネスは二刀流となる。
「ほう、そんなことも出来るのか」
次々と剣を出すレオネスにクラースは感心する。
「しかし、魔力の剣は撃って来ないのか?」
クラースはレオネスが先の試合で見せた、魔力の剣を展開しながらの戦いを想定していた。
しかし、レオネスは魔力の剣を展開せず、剣術のみで戦っている、そのことを疑問に思うクラース。
「この剣とその戦い方は相性が悪くてな……」
消費魔力の多い
そのため、レオネスは
「まあいいさ。魔力の剣が飛んで来ないなら、それに越したことはない!」
クラースは剣を逆手に持ち、構えを取る。
「エア・ディバイド!」
クラースは剣を振り抜き、巨大な魔力の斬撃を放つ。
「ならば!」
レオネスは双剣に闘気を集中させる。
「アルハザード流・奥義の弐!
巨大な闘気の剣を振り下ろし、クラースのエア・ディバイドにぶつけ、相殺する。
「ひえぇぇ~!」
マオルゥは発生した衝撃波に吹き飛ばされてしまう。
「
新たな剣を精製するレオネス。
「おおぉぉぉ!」
レオネスに魔力の突き・ルーンストライクを放ち、強襲するクラース。
「今度は砕けないんだな!」
「作戦変更してな!」
ルーンストライクを受け、ひびが入る
(魔力の残量を考えると、もうポンポン剣は出せない。この剣をどうにか保たせて戦わないと!)
レオネスは踏み込み、斬撃を繰り出す。
接近戦に持ち込み、クラースの大技を封じる作戦である。
斬撃を繰り出し、猛攻を仕掛けるレオネス。
クラースは防御に徹し、時折カウンターで反撃を試みる。
一進一退の攻防が続き、互いに少しずつ傷を負っていく。
レオネスの剣を弾き、距離を取るクラースだが、レオネスはアルハザード流・
「くっ、魔力を込める暇もない……!」
レオネスの猛攻により、クラースは得意の魔法剣を使えずにいた。
大きく剣を振り下ろすレオネス。
クラースは剣の腹に片手を添え、レオネスの一撃を受け止める。
「これは!?」
レオネスが放ったのはアルハザード流・
強力な一撃による衝撃をクラースに叩き込み、腕の筋肉を痺れさせたのだ。
レオネスは一瞬の隙を突き、十字斬りと拳で闘気をぶつける連続技・
十字斬りはクラースの剣を弾き飛ばし、拳で衝撃波を叩きつけ、クラースを吹き飛ばす。
「がっ!」
「まだまだ!」
口元の血を拭い、立ち上がるクラース。
しかし、クラースの剣はクラースから離れた位置に飛ばされていた。
「そっちは魔力切れかい?」
魔力で補強していたとはいえ、猛攻に加え、アルハザード流を繰り出したことで、
「最後は
レオネスは格闘の構えを取る。
「いいだろう!」
受けて立つクラース。
お互いに向かって駆けだす二人。
「うおおおおぉぉぉぉ!!!」
「はああああぁぁぁぁ!!!」
拳が交差し、二人の拳は互いの顔面に直撃する。
倒れたのはクラースだった。
「ふぅ、強敵だったぜ……」
クラースは鼻血を拭い呟く。
「……ん? 審判はどうした?」
勝利の判定が下されず、辺りを見回すレオネス。
すると、リングの隅でマオルゥが丸まっていた。
「おい審判、仕事しろぃ」
マオルゥを小突くレオネス。
「はっ! 私としたことが、気を失ってしまっていた! 試合はっ!?」
レオネスとクラースの戦いの余波で吹き飛ばされ、気絶していたマオルゥ。
「見ての通りだよ」
レオネスに言われ、状況を確認するマオルゥ。
リングの中央にはクラースが倒れており、レオネスは自分を起こしに来ていた。
「副審、レオネス選手の勝利ですか?」
副審に聞くマオルゥ。
副審は頷く。
「えー、レオネス選手の勝利です!」
「やったね!」
「これで決勝進出よ!」
「いよいよですね!」
レオネスの勝利に喜ぶ
レオネスはディアスたちの方を
「フッ、待っていろ
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