第47話 準決勝 ~VSビフレスト~ ②
「それでは二戦目! フェレティス選手対マリー選手! 両者位置について! 始めっ!」
フェレティスの次の対戦相手は魔法剣の使い手であるマリー・リックリンガー。
ミレスと同じく炎、水、風、土の四大属性に適性を持つ剣士である。
「けが人を相手にするのは気が引けるが、参る!」
マリーは剣を構え、フェレティスと対峙する。
フェレティスは
(左手が使えない今、至近距離で確実に当てるしかない……!)
フェレティスは縦横無尽に動き回り、マリーをかく乱する。
最初はフェレティスを目で追うマリーであるが、剣を構えたまま目を閉じる。
フェレティスは目を閉じたマリーに接近し、チャージスティンガーを繰り出そうとする。
「そこだ!」
突如、目を開けたマリーにフェレティスは魔力式散弾銃を場外に弾き飛ばされる。
「くっ!」
フェレティスは瞬時に拳銃を装備し、魔力弾を撃ちながら後退、マリーはフェレティスの魔力弾を剣で弾いて防御する。
距離を取ったフェレティスは武器を突撃銃に変更し、遠距離戦に変更する。
(片手じゃリロードは無理ですね。それに、剣士に接近戦を挑むというのも悪手でしたね……)
フェレティスは片手でも命中率の落ちなかった魔力式拳銃の弾を撃ち切ってしまい、命中率の下がった状態で、遠距離戦をすることとなる。
「距離を取ったか、賢明な判断だ。だが!」
マリーが前に出る。
フェレティスは突撃銃を乱射し弾幕を張る。
片手だけでは突撃銃の反動を抑えられず、フェレティスは近づかれないように弾幕を張るのが精一杯であった。
命中精度の低い魔力弾を掻い潜り、時に剣で弾き、マリーはフェレティスに近づいて行く。
接近したマリーに弾の切れた突撃銃を投げつけるフェレティス。
マリーは剣で飛んできた突撃銃を払いのける。
突撃銃を払いのけ、視線をフェレティスに戻すマリー。
「しまっ……!」
フェレティスは狙撃銃を装備し、痛みに耐えながら怪我をしている左手を添え、マリーを狙い撃つ。
「いっけぇ!」
フェレティスの放った一撃を剣で受け止めるマリー。
魔力式狙撃銃から繰り出された強力な一撃は剣により弾かれ、軌道が変わる。
しかし、魔力弾はマリーの右肩を掠めて飛んでいき、マリーの右肩にダメージを与える事に成功する。
「くっ! 利き腕を負傷するとは……」
右肩を負傷したマリーだが、剣を振るえないほどのダメージではなく、戦闘継続は可能だった。
マリーは剣を構え直し、フェレティスに向かって行く。
フェレティスは狙撃銃を捨て、武器をナイフに持ち替える。
両手で打ち込むマリーに対し、片手で受けるフェレティス。
フェレティスは次第に押されていき、ついにナイフを弾き飛ばされる。
「あっ!?」
眼前に剣を突きつけられるフェレティス。
「チェックメイトだ」
「もう武器は無いですし、負けです……」
フェレティスは両手を上げ降参する。
「フェレティス選手の降参により、勝者マリー選手!」
武器を拾い、レオネス達の元へ戻るフェレティス。
「負けちゃいました~」
「いや、フェレティスはSランク相手によく頑張ったよ」
戻ってきたフェレティスに
「私の出番ね、行ってくるわ」
「ルナリスさん頑張ってください!」
入れ替わりでリングに向かうルナリスを応援するフェレティス。
「三戦目! ルナリス選手対マリー選手! 試合開始ぃ!」
「あなたさっき、気配を読んだみたいだけど、これはどう?」
ルナリスは五人の分身を作り出す。
「
「五人のどれかが本物ならば!」
マリーは再び目を閉じ、気配を探る。
「……!?」
気配を探るマリーだが、目を見開いて驚く。
「馬鹿な、全ての分身が同じ気配だと!」
驚くマリーだが、すぐさま剣を構え直す。
「ならば、五人すべてを切り伏せればどれかが本物だ!」
「あら、怖い」
マリーは五人のルナリスへ向かって行く。
五人のルナリスは散開し、そのうちの一人が向かってきたマリーに応戦する。
「お前が本物だな!」
「どうしてそう思うの?」
振り下ろされたマリーの剣を二挺拳銃で防御するルナリス。
「簡単な事だ、お前しか武器を持っていない!」
マリーの薙ぎ払いをバックステップで
「あら、バレちゃった? 参ったな~」
分身を見抜かれたというのにルナリスの表情から動揺は感じられなかった。
(なんだ? ポーカーフェイスか、あるいは、分身には他の役目があるのか?)
ルナリスの態度から警戒を強めるマリー。
「狙いはわからないが、切り伏せる!」
剣に水をまとわせるマリー。
ついに魔法剣を発動させる。
「
マリーが繰り出した水の剣は、水の斬撃となってルナリスに襲い掛かる。
「これはマズいわね」
水の斬撃の攻撃範囲は広く、左右に動いて
水の斬撃が直撃するルナリス。
攻撃を受けたルナリスは影となって霧散する。
「分身!? 馬鹿な!」
散開した分身の方を向くマリー。
振り向くと同時に鈍い痛みを受ける。
「くっ!」
ルナリスの魔力弾に撃たれたのだ。
「そこか!」
攻撃された方向にいるルナリスの分身を攻撃するマリー。
「
竜巻の如き風の刃はルナリスを巻き込み切り刻む。
しかし、再び、背後から魔力弾で撃たれるマリー。
「くっ! 分身は攻撃できないというのはブラフか!」
「ん~? 分身は攻撃できないのは本当よ」
ルナリスの言葉に混乱するマリー。
「それにしても、あなた防御力高いわね。それなりに倒す気で攻撃してるんだけど」
ルナリスは二挺拳銃を一回転させ構え直す。
「今以上に攻めないとダメね!」
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