第46話 準決勝 ~VSビフレスト~ ①
「それでは準決勝第一試合!
マオルゥの声と共に入場する
エルスペリオル王国・武闘武術大会も準決勝戦であり、後半戦に差し掛かる。
「む? 四人か?」
「おーっと!
マオルゥもセンジの不在に気付き、声を上げる。
「センジは用事で今回の試合には出れないんだ。だから俺たち四人、勝ち抜き戦で頼む」
レオネスはメンバー不在による勝ち抜き戦をマオルゥに申し出る。
「分かりました! では、
「二回も勝ち抜き戦とはな……」
「まあ、しょうがないわよ」
勝ち抜き戦を申し出たレオネスだが、前回の試合も勝ち抜き戦だったため、少々複雑な気分になる。
そんなレオネスに声を掛けるミレス。
「それでは早速、準決勝一戦目、始めたいと思います! 選手はリングへどうぞ!」
ヘレネーディア・ロプスン。
弓による遠距離攻撃を得意とするが、二刀のナイフにより接近戦もこなす。
「それでは両者位置についてぇ! 始めっ!」
ゴングが鳴る。
ヘレネーディアは矢を
しかし、フェレティスは
「やはり速い!」
高速で近づくフェレティスに対し、ヘレネーディアはナイフを抜き応戦する。
「チャージスティンガー!」
魔力式散弾銃を装備したフェレティスは突進し、至近距離で散弾銃を発射する。
「くっ!」
至近距離で散弾銃を撃たれたヘレネーディアは咄嗟に弓矢を投げて身を屈め、フェレティスに突進する。
散弾銃の下に潜り込み、うまく散弾を
ヘレネーディアは組み付いた際の勢いを利用し、フェレティスを押し倒す。
「これだけ近いと、その銃は使えないでしょ?」
「そう思います?」
「……っ!?」
押し倒したフェレティスを追撃しようとナイフを構えるヘレネーディア。
しかし、フェレティスはどこからともなく魔力式拳銃を取り出し、ヘレネ―ディアに構えていた。
ヘレネーディアはフェレティスから飛び退き、弓矢を拾い、遠距離戦に持ち込む。
「その拳銃、どこから出したわけ?」
「ここですよ」
フェレティスはポンポンと腰のポーチを軽くたたく。
「
フェレティスがそう唱えると、フェレティスの武器が拳銃から突撃銃に変わる。
「……何それ」
「私の専用魔道具『
──
フェレティス専用の魔道具で、戦闘用マジックポーチと呼べる代物。
使用者の意思に応じて、内包した武器を瞬時に入れ替える事が出来る。
「便利な物を、……ちょっとほしいかも」
フェレティスの専用魔道具の存在を知り、少しフェレティスが羨ましくなるヘレネーディア。
「さあ、戦いはここからですよ!」
フェレティスは突撃銃を連射し、ヘレネーディアを攻撃する。
「こっちだって負けてられない!
ヘレネーディアはフェレティスの連射に対し、無数の魔力の矢を放ち、魔力弾を相殺する。
さらに、魔力弾を突破した矢はフェレティスに向かって飛んでいく。
「追尾弾……!」
フェレティスは武器を拳銃に切り替え、早撃ちでヘレネーディアの
「もらった!」
フェレティスが魔力の矢を撃ち落とす隙を突き、ヘレネーディアは魔力を込めた強力な一撃を撃ち込む。
「いっけぇ!
「しまった! でも……!」
フェレティスの
「やるじゃない……!」
攻撃したはずのヘレネーディアの方が片膝を突いていた。
フェレティスの武器は拳銃から狙撃銃に変わっており、
「我流銃技・トリックリフレクションです!」
立ち上がろうとするヘレネーディアに魔力弾を撃ちこむフェレティス。
フェレティスのトリックリフレクションで片足を撃たれたヘレネーディアは放たれた魔力弾を
「はぁ、負けちゃった……」
テンカウントが行われるが、ヘレネーディアは立ち上がる事が出来ず、リングアウトで敗北する。
「ヘレネーディア選手の場外負けにより、勝者フェレティス選手!」
フェレティスの勝利に拍手が鳴る。
「肩を貸してくれない? 足がしびれちゃって……」
ヘレネーディアは駆け寄る
「まずは一勝だな」
「でも、フェレティスは左腕が使えないわ」
フェレティスの左腕は
(この状態で連戦はキツいですね……!)
左手が使えず、命中精度が大きく落ちた状態でフェレティスは次の試合に挑む。
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