第34話 巨獣討伐 ~ギガントハント~ (下)
ロックスの砦へ到達した
ゆっくりと歩を進めていた巨獣は、ロックスの砦という、目の前の邪魔な壁を破壊すべく、初めて戦闘態勢を取る。
「センジ、足を頼めるか! 俺は上からやる!」
「ああ、任せろ!」
「ノクス、下を任せる!」
「分かった!」
レオネスとクラースは胴体を、センジとノクスは足を攻撃する。
そして、ロックスの砦の
跳躍し、背中に飛び乗るレオネス。
剣を突き立てるが、鱗は固く、刃を通さない。
「ならば!」
レオネスは剣魔法・
「ちっ、硬すぎるだろ……!」
「そっちも刃が通らないか」
クラースの剣も分厚い鱗に阻まれ、ダメージを与える事が出来ずにいた。
「衝撃波なら、あるいは……!」
「やってみるか!」
レオネスは左の拳に闘気をまとわせ、
「アースブレイカー!」
クラースは左腕に魔力を収束し、
背中に強烈な衝撃を叩き付けられた
「おお、流石、
ロックスの砦の王国騎士が歓声を上げる。
二人に強烈な衝撃を放った箇所の鱗はひび割れていた。
レオネスとクラースは
「いけるぞレオネス! この調子で闘気を叩き付ければ!」
「悪いなセンジ、この手はもう使えない……!」
「どういう、……!」
レオネスの左腕を見たセンジは絶句した。
レオネスの左腕は、骨が折れ、肉が裂け、血に
「その腕は……」
「奴の方が硬かった、それだけだ」
レオネスの闘気をまとった拳の一撃により、鱗を砕かれ、衝撃でダメージを負った
その鱗を砕くほどの力で殴れば、その腕がタダで済むはずもない。
「悪いが、こっちの左手も逝っちまった」
クラースの左腕もレオネスの左腕と同じ状態であった。
「攻撃は砦の連中に任せて、こっちは足止めに徹するぞ!」
「了解!」
クラースの作戦に従うレオネス達。
体中を駆け抜ける衝撃を受け、ひるんだ
「
これを杭打ち機のように撃ち出し、巨獣を穿ちダメージを与えるのである。
ロックスの砦に背を向ける
「背中で体当たりする気か!」
背中で体当たりするべく、構える
「させるか!」
レオネス達は足を攻撃し、体当たりを阻止する。
レオネスとセンジは前足を、クラースとノクスは後ろ足を攻撃する。
「よし、準備が出来た!
轟音と共に撃ち出される巨大な針は
背中を貫かれた
「やったか!?」
歯車により巻き戻され、ゆっくりと
「何とかなったか……」
クラースが一息ついたその時だった。
「! しま……」
巨大な尻尾による一撃で、油断していたクラースとノクスは吹き飛ばされ、壁に激突、気を失う。
「浅かったのか……!」
起き上がる
血を流し、そのダメージは軽くはない。
しかし、その命には届かなかったのだ。
レオネスとセンジは吹き飛ばされたクラースとノクスの元へ駆け寄る。
「大丈夫だ、息はある。だが、戦える状態じゃない」
「こっちも気を失ってるが、命に別状はない。流石はSランクといったところか、不意打ちを防御してダメージを軽減していた」
「センジ、二人を頼めるか?」
「レオネス、お前、その身体で戦う気か!?」
「俺だって行きたくねぇよ。だが、俺の後ろには仲間がいる。だから、俺は退くわけにはいかない!」
「レオネス、死ぬなよ!」
センジはクラースとノクスを抱え、ロックスの砦へ入っていく。
「ありったけの武器を撃て、攻撃を許すな!」
王国騎士団バルドリン隊長の号令で、弩や大砲、迫撃砲を一斉掃射する。
「ああ言ったが、巻き込まれたらヤバい、ちょっと避難」
レオネスは砦の一斉掃射に巻き込まれないように
「……これでも、足りんというのか」
ロックスの砦の一斉掃射を受けた
体の至る所から血を流し、鱗は砕け、片目も失っていた。
しかし、その隻眼には闘志が宿っていた。
「くっ! 全員、衝撃に備えよ!」
ロックスの砦の城壁は亀裂が走り、砦の内部は大きく揺すられる。
「みんな! くそっ、これ以上やらせるか!」
「レオネスッ!」
ミレスが声を上げる。
「お前たちは俺が守る!」
振り返らず答えるレオネス。
「見せてやる、剣魔法、その奥義をな!」
レオネスは魔剣レグルスを天へと掲げる。
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