第33話 巨獣討伐 ~ギガントハント~ (中)
「この数だ、乱戦は避けられない。自分の身を守りつつ、各個撃破だ!」
「了解!」
「はいです!」
「ええ!」
「承知!」
レオネスの指示に
レオネスとセンジは剣を構え、
レオネスは跳躍し、上空から地を這う
「まずは一体だ!」
早速、
さらに、この数は
巨体ゆえに緩慢な動きの
そのため、
「くっ! 少々マズいか!」
センジは
このまま
今の体勢でも十分危険であり、一体の攻撃を防ぐのに精いっぱいで、横や後ろはがら空きであった。
大剣を盾に踏ん張っていたセンジだが、急に
「大丈夫か!?」
「ああ、助かった!」
センジに
「集団戦で乱戦だ、気を付けろよ!」
「ああ!」
前線で
「簡単には通さない!」
通過してきた
「水よ、敵を斬り裂く刃となれ! アクアブレイド!」
ミレスは水魔法・アクアブレイドを発動させ、
アクアブレイドは、高圧の水を放出し、敵に斬撃ダメージを与える中級魔法である。
「長期戦だから、魔力を温存しながら戦わないと……」
魔法使いのミレスはもちろん、自身の魔力を弾丸として撃ち出すルナリスも魔力の残量に気を付ける必要があった。
また、自身の魔力を用いないとはいえ、フェレティスの魔法銃にも弾数は存在し、ペース配分を考えながら戦う必要がある。
「結構、硬いですね……!」
狙撃銃で
上手く頭部を撃ち抜く事が出来れば、一撃で倒す事が出来るが、
しかし、頭部に当たらずとも、身体に命中させることは出来ていた。
だが、身体は鱗に守られ、威力の高い狙撃銃を以ってしても一撃必殺とはいかなかった。
「結構、仕留めたつもりだが、数が減ってんのか、これ?」
レオネスは
センジもまた、大剣の重量を活かし、渾身の振り下ろしにより、鱗を砕き、骨を断ち、
「向こうも、上手くやってるみたいだな」
歩を進める
竜騎士クラースをリーダーに、黒魔剣士ノクス、炎の巫女ティファ、魔剣使いマリー、弓使いのヘレネーディアの五人で構成されたクランである。
「競ってるわけじゃないが、やっぱり負けたくないな……!」
レオネスは剣を右腰の辺りに持っていき、構えを取る。
「アルハザード流奥義の壱!
かつて、エビルファングの魔物との戦いで放った、アルハザード流の奥義の一つ、
極限まで高められた闘気は斬撃の奔流となり、
「こっちの露払いは出来たが、……くっ!」
中距離で戦っていたミレスたちの元へ駆け寄るレオネス。
「ミレス、ルナリス、フェレティス、お前たちはロックスの砦へ行け」
「私たちだけ避難しろってこと!?」
レオネスの言葉に抗議するミレス。
「そうじゃない、ロックスの砦から
「あ、そういうこと」
もはや、迎え撃つしかない。
前衛が足止めし、後衛が集中攻撃する。
レオネスはそう考えた。
「さて、俺たちの底力、見せつけてやろうぜ!」
クラースがレオネス達に声を掛ける。
「ああ、頼りにしてるぜ、冒険者の先輩!」
レオネスがクラースに返す。
ロックスの砦へと到着した
ここに人間と巨獣の最終決戦が始まる。
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