第21話 悪魔の種 ~禁断の薬~
宿へと戻って来たレオネス達はルナリスの手当てを行う。
「これで良し。でも、しばらく激しい動きはしないでね」
「ええ、ありがとう。痛みで集中できなくて、回復魔法を使えなかったから、助かったわ」
ミレスの手当てに礼を言うルナリス。
「それで、なぜ、あんな魔物に襲われていたんだ?」
「そうね、あなた達になら話してもいいかしら」
ルナリスは経緯を説明する。
ルナリスは
ルナリスは
捜査をしていることが、エビルファングに知られたようで、刺客を送り込まれ、襲われた。
それが、三匹の人型の魔物との戦いだった。
「
「エビルファングの本拠地は、まだ見つけられていなくてね」
悔しさをにじませるルナリス。
「ねえ、レオネス。私たちも協力しましょうよ」
「そうだな、
ルナリスに協力するレオネス達、
「手を貸してくれるのは助かるけど、組織とは自分の手で決着を付けたいの」
「分かった。なら、俺たちは露払いに専念しよう。本丸はお前が討てばいい」
「わがままを聞いてくれて、ありがとう」
「さて……」
レオネスとミレスは目配せして、武器を取り、出かける準備をする。
「俺たちはアジトを探してくる」
「私も行くわ」
レオネス達に同行しようとするルナリス。
「だめよ、ルナリスは怪我してるでしょ?」
ルナリスの同行はミレスに断られる。
「ルナリスには、別に頼みたい事がある」
「……なにかしら?」
◇◇◇
レオネスとミレスは手分けして怪しい人物を探していた。
「……流石に、簡単には見つからないか」
高台から町を見下ろし、レオネスは呟く。
「そっちはどうだった?」
「それらしい奴はいない」
「こっちも見当たらなかったわ」
レオネスもミレスもエビルファングの構成員と
「そんなに時間は経ってないが、一旦戻るか?」
「う~ん、そうしましょうか」
レオネスとミレスは、一度宿に戻ることにする。
宿に向かって歩を進める二人。
不意にミレスが足を止める。
「どうした?」
ミレスに問うレオネス。
「今、すれ違った人、魔力の質がおかしかった気がする……」
「……普通の人にしか見えないが、尾行してみるか」
二人は、すれ違った男をこっそり尾行する事にする。
最初は人通りのある場所を歩いていた男だが、次第に人通りの少ない場所へ向かい、裏路地でカバンからマントを取り出し、羽織る。
「怪しくなってきたな」
「うん」
男がマントを羽織り、顔を隠してから少し後に、別の男がやってくる。
「例の物を」
「金が先だ」
「これだ」
「確かに、では今回の分だ」
マントの男は、もう一人の男に黒い液体の入った小瓶を手渡した。
「へへへ、また頼むぜ」
小瓶を受け取った男は満足げに去って行った。
「あの黒いのって……」
「おそらく
物陰から観察していたレオネスとミレスは、マントの男の逃げ道を塞ぐように二手に別れる。
マントの男の逃げ道を塞ぎ、姿を現すレオネスとミレス。
「な、なんだお前たちは! 一体どこから!?」
受け取った金をカバンにしまっていたマントの男は、突然現れた二人に驚く。
「あんたに聞きたい事があってな」
「黒いお薬の事とか、ね」
徐々にマントの男との距離を詰めるレオネスとミレス。
「尾行されていたか……」
マントの男は懐から小瓶を取り出す。
「知られたからには仕方が無い、死んでもらう!」
マントの男は小瓶の中の黒い液体を飲もうとするが、それより速くレオネスは剣を抜き、衝撃波を撃ち出す。
レオネスの放った衝撃波・
弾き飛ばされた小瓶は地面へと激突し、中身で地面を濡らす。
「これで魔物化は出来ないわね」
「そう思うか?」
マントの男は全身に力を籠める。
すると、筋肉は膨れ上がり、赤く変色し、赤い蒸気をまとう。
「そんな、
「油断するなミレス! 来るぞ!」
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