9話 襲撃

俺達はドラゴンのいたラムダ洞窟から逃げ切った。


「はぁ、はぁ、はぁ。何とか逃げ切りました~」


「死ぬかと思った~」


「あなたにはまだ死んでしまっては困ります」


「ん?何か言った?」


「いえ、なにも。」


「というか、本当にラムダ洞窟に勇者を追い詰めたドラゴンがいたんだね。

てっきり、本だけのおとぎ話だと思ってたよ。」


俺もてっきりおとぎ話だと思ってた。しかもあんなに強い奴が身近にいるなんてな。


「トット、今度からは鍛錬する場所には気を付けてよ?」


メグ姉はそういうと、流れるような動きでトットは


「申し訳ございません!申し訳ございません!申し訳ございません!申し訳ございません!この度はぁー誠にぃー申し訳ぇーございまぁーせんでしぃーたぁぁぁぁぁーー!」


土下座した。


★★★★★★


6歳になった。


4歳から、5歳まで弱い魔物を狩ったり、鍛錬をたくさんしたおかげでレベルが上がった。

それにある程度魔法は使えるようになったし、体術も強くなった。チート能力はどこえやら。


今日は、6歳になったということでアルファ王国イコール学園に入学するための試験で王都に行くのだ

これでチート能力に目覚めて、俺のウハウハ学園生活が始まるんだ!


「テル様ー、そろそろ馬車を出発させますよー」


「今行くよー」


馬車が出発した。


★★★★★★


馬車に乗っているのはトット、ディム、メグ姉、俺の4人と父さんの部下たち(約10人)で、馬車を操縦しているのはディムだ


ガタン。


「うわぁ!」


「大丈夫ですか?」


「大丈夫だ。あとどのくらいで着きそう?」


「あと10分くらいでs」「おらぁ!」


なんだ?!


「ちょっと止まってくれよう。姉ちゃん。いいモン持ってんじゃねえか。」


「なんですか、あなたたちは。」


「俺たちか?そいつはちょっと名乗れねえな。」


あれは・・・盗賊だな。


「兄貴!こいつらは上玉でっせ!変態貴族たちが喜びそうなやつらですぜ。」


「僕はハングル家の20代目当主予定のテル=ハングルですよ。いきなり馬車を襲っておいてなんですか、その態度は。」


「お前たち・・・まさか『王の懐刀』と言われている、ハングル家か・・・?!そっちの嬢ちゃんは?」


「マーガレット=ハングルだ。」


「・・・野郎ども!女を拘束しろ!男は殺してもいい!」


は?こいつおかしいこと言ってるぞ


そう考えていると、盗賊が襲ってきた。


「ヒャッハー!」


「スラッシュ!」


「ガハッ!まだまだぁ!おらぁ!」


「くッ、ファイア!ウォーター!サンダー!」


★★★★★★


やっと一人倒せた。

こいつら、結構手強いな。手下たちが次々にやられていく。なんで盗賊なんかやってるんだ?


「おい!お前らの目的はなんだ?!」


「俺たちの目的?そんなこと聞いてる場合か?」


「きゃあ!」


「姉ちゃん?!」


「縛れ!」


「やめろ!」


俺の体は気づいたときには姉ちゃんのほうに動いていた。


そして、俺の全本能が感じた。こいつ(盗賊のボス)は強い。圧倒的に格上!


死ぬ。再び感じる死の恐怖。


そう思っていたら、俺の胸は小刀が貫通していた。

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