8話 無力
「ドラ・・ゴン?」
そこに鎮座した竜の前には悲鳴を上げていたトットがいた。
「トット!大丈夫か!?」
「だっだっ大丈夫ですけど!ですけど!そっそっそこに、ドラゴンが!」
そこにいたドラゴンは今にも攻撃してきそうな様子だった。
化け物じゃん。
「逃げるぞ!|今の俺たちじゃ勝てない!」
「やばい!やばいよ!ドラゴンって言ったら、一番弱いワイバーンですら、C
ドラゴンか。
そういえば少し前に勇者の絵本を読んだな。
確かその中にはラムダ洞窟にいたドラゴンがいたっていう話で
全く歯が立たなく、命からがらの思いで帰ってきたって・・・
ここにいるの勇者と戦って勝ったドラゴンか?!
じゃあ俺たちじゃ勝てるわけがないんじゃ・・・
するとトットが笑いながら、
「ドラゴンの魔法石はとても高く売れんですよ~。
こいつを倒せば・・・みんなで幸せに暮らせますよ~」
トットが狂ったように言う
「何言ってるんだ!俺はもちろん、トットやディムがいたって勝てる相手じゃない!死ぬぞ!」
そんなことを言っているうちにドラゴンは攻撃準備をしている。
「グォォーーー!」
ドラゴンは鳴きながら、トットに爪で攻撃をしようとしてる。
「トット!」
「前言撤回です!すいませんでしたー!」
ザクリ
何とか攻撃の直撃は避けたようだ。
ただの爪攻撃なのに、近くにあった岩が砕けた。
これは話以上にやばいな。
「トット!大丈夫!?」
「一応致命傷にはなりませんが、もう一回当たったらやばいですね。」
「一応回復魔法をかけておきますね。ヒール!」
「テル様!出口が・・・」
あれ・・・?出口は?
「出口がふさがれたー!やばいぞー!」
「
でもやばいのはほんとだ。
「とにかく戦うしかない!」
「ダメ押しでも攻撃するぞ!」
「オッケー」「「わかりました!」」
やっと実践だ。
身体能力がアマテラスのおかげで上昇しているから、攻撃とかは強いはず。
「くらえ!キィッーーーク!」
俺はジャンプして、空中を舞った。
ドラゴンの背中に強烈な蹴りが炸裂した。
なんダメージくらい入った?!
残り体力299900
100ダメージしか入ってない!
え?
いや全力で蹴ったんですけど。
というかジャンプで威力増してるはずなんですけど。
身体能力強化されてるはずなんですけど。
話が違うんですけど。
ドラゴン怒ってるし。
・・・これ詰んでね?
「テル様!ドラゴンには基本物理攻撃は効きません!魔法ではないと攻撃は通りませんよ!」
やばい、やばい、やばい、やばい!
まずった。
でも、魔法が効くとわかったなら話は早い。
「ディム!魔法でドラゴン倒してくれ!」
「わかりました!くらえ!ギガファイア!」
残り体力298900
1000も効くのか!
これならいけるんじゃね?
「ウォーター!サンダー!ロック!」
おお!結構効いてるぞ!
このままいけば・・・
★★★★★★
あれからかれこれ30分くらいたった。
あいつの残り体力は90000ちょい。
俺たちの魔力にはまだまだ余裕があったためもう10分ちょいあれば勝てるんじゃないか。
そう思った。
俺はこの瞬間油断していた。
ドラゴンは体力90000を下回ると、急に
「グォォーー!」
と鳴きだして
うるせーなーと思ったら、
爪が伸び、体も一回りも二回りも大きくなった。
ボスの体力が少なくなると、強化されるって本当にゲームの世界だな。
と余裕をぶっこいていると
ドラゴンが急に喋ってきた。
「人間。なかなかやりますね。私はお前たちを少し舐めていたようです。
ここまで私を追い詰めた人間は初めてですよ。では、少し本気をださせてもらいますよ!
ドラゴンブレス!」
そう言った?ドラゴンは俺のほうにブレスを撃ってきた。
俺、死ぬのか?
そう思った刹那に、ディムが
「
と言って守ってくれた。
「テル様。大丈夫ですか?」
「ありがとう。ディム。」
とはいえ、ドラゴンが今まで本気をだしていなかったなんて驚きだ。
しかも喋ってきたし。
さっきのゴブリンたちは喋ってこなかったし、強い奴だけの特権なのか?
この状況はかなりやばいな・・・。
「防ぎましたか。ですがこの程度で終わると思わないことですね!
必殺技を撃ってきた。
力が入らない。
あの隕石に魔力を吸われている?
もう駄目だ。
魔力はそこを尽き、相手はまだまだ余裕をかましている。
全くかなわない。
そんなとき、竜星群で出口が破壊された。
「出口が開いた!逃げるぞ!」
「逃がすか!」
「これでもくらっとけ!ウォータ!ブリザード!」
竜の体を凍らせた。これでしばらく動けないはずだ。
「貴様!勝手に入ってきて、逃げる気か!」
「ああ。このままだと俺やみんなが死ぬからな」
「くそが!お前たち人間の都合だけで
逃げるな!殺してやる!殺してやる!」
殺気がさらに強くなった。
「逃げろー!」
俺たちはドラゴンを後にしてラムダ洞窟から脱出した。
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