第283話 年貢の納め時
【由利子side】
「それで、結婚したらウチで同居するの?
それとも新婚だから、何処かアパートか一軒家でも借りるの?」
「いやいや、まだ結婚もしていないのに気が早すぎるわよ、お母さん!」
私が反論しても母は聞く気がしないらしく、
「あなた達に任せていたら、何時までも先延ばしして話しが進まないでしょう!
こういう事は、早め早めに用意して置かないと駄目よ!
それと、由利子!
貴女は、料理の一つも出来るように成ったの?
どうせ、一人暮らしの時には お惣菜を買ってビールばかり呑んでいたんでしょう?
本当にこの娘ときたら、ズボラで恥ずかしいわ!
育て方が甘かったかしら、ううん今からでも花嫁修業をすれば間に合うハズよ!
それには、………………」
ウワァァァ、お母さんの無限説教が始まったわ。
同居なんかしたら、これが永遠と続くかと思うとウンザリするわ。
何としても同居は避けなければ!
「お母さん、お母さん、私は もう学校の教師をしているのだから花嫁修業をしている時間は無いわ!
それと、大江戸くんの家でお世話に成るつもりだから大丈夫よ 」
「本当にこの娘ときたら情けないわね!
お母さん、恥ずかしいわ」
うっせいわ! ……と言えたら、どんなに楽か。
一言、言い返したら三倍位に成って反ってくるからなぁ~。
ふと、お店の庭に目を向けると野良猫達と目が合った。
気のせいだと思うが、なま暖かい目で見られている気がするわ。
人間の言葉なんて、猫に解るハズが無いのに…………
うん、気のせい 気のせい、今は お母さんの対策をしないといけないわね。
せっかく美味しい和食を食べたのに、味わえなかったから帰りにスーパー『ドウミヤ』で出来立ての焼き鳥でも買ってビールでも呑まないとやってられないわよ!
「それで、ハルトさんはウチに
由利子は、一人娘だからお婿さんに来てくれると嬉しいわ!」
「お母さん! 」
本当にオバチャンは遠慮が無いから困るわ!
我が母ながら、ズケズケと聞きづらい事を質問するんだから!
「その事なら大丈夫で~す。
ノースダコタ家は、兄のオスカーが継ぐから問題ありませ~ん!
僕もアリスも日本が大好きなので、
ハルトは次男だったんだぁ~。
まだまだ
もっと、もっと、彼とコミュニケーションを取ってお互いに相手を知らないといけないわね。
その後、お食事会を終えた二人は『ドウミヤ』で大量の焼き鳥を買い、大江戸家に報告するのでした。
報告を受けた大江戸ファミリーと由利子先生達は、お祝いの『焼き鳥パーティー』を開き大いに楽しんだのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます