第279話 恋愛バトル・ロワイアル ⑥

【深雪side】



「ガッハハハハハハァ ! これで、お前は俺様の女だからな ! 」


 あのシャイアンみたいな奴が、馴れ馴れしく仲良く成りそうに成った女の子の肩に触れようとした途端に、


「女の子は、男の所有物じゃありません !

 触るな、下郎げろう !」


 そう言った女の子にシャイアンみたいな奴………もう、シャイアンでいいや !


「 お前 ! 女のクセに生意気だぞぉー !

 男の偉大さを教えてやるぅー 」


 シャイアンの奴、女の子に向かって殴りかかったわ !

 しかし女の子は、余裕で避けながら シャイアンのあごに右フックを当てていた。

 シャイアンはよろめきながら倒れたけど、直ぐに起き上がろうとしたけど起き上がることが出来なかった。


「 おっ お前ぇ~ 、何をしやがったぁー! この俺様が女に殴られたくらいで立ち上がれ無いなんてあり得るわけが無いんだぞぉー!」


「 テコの原理で顎を回したので『脳』が揺らされて軽い脳振盪のうしんとうを起こしただけです、しばらく立ち上がれませんよ。

 これに懲りたら少しは反省しなさい !」


 女の子を良く見ると…………妙神みょうじん 龍姫たつひめ先輩だった。


「 女の子達をガードするように由利子先生に頼まれたので出場したけれど、

 わたくしに触れて良いのは旦那様忠夫だけなのですよ !

 無礼は許しません! とどめを刺さないのは、せめてもの慈悲です」


 妙神先輩が、シャイアンとツネ夫をにらむと二人は互いに抱き合いながらふるえていた。


 スタッフに妙神先輩の事は伝わっているのか、妙神先輩をとがめるスタッフも出場者も居なかった。


 流石、菖蒲学園で由利子先生に継ぐ実力者だわ。

 だけど、そのせいで他の男の子達は ビビってしまい私達、地元民の女の子から距離を取り出した。


 待ってぇー ! 由利子先生や妙神先輩が特殊なだけで、私達は普通の可愛い女の子なのよぉーーー !


 私の計画がぁ~、音を立てて崩れ去った瞬間だった。




【忠夫side】



 ヒェェェェ~、龍姫先輩が強いとは聞いていたけど……

 うん、絶対に彼女を怒らせ無いようにしようと誓った………けど、どうして俺の周りの女の子は気の強い女の子ばかりなんだろう。

 大江戸の奴の彼女達は、優しそうな女の子ばかりなのに、世の中 理不尽すぎる !

 感動したのか蛍が、


「 ワァァ~! ヒメお姉ちゃん妙神龍姫 カッコいいねぇ~、お兄ちゃん」


 俺は苦笑いしながら蛍の頭を撫ででいた。


 俺達は、テレビ撮影もあると聞いて『集団お見合い』を見に来たんだが、由利子先生の頼みで 急遽きゅうきょ、龍姫先輩も出場することに成ったんだ。

 龍姫先輩の活躍を見て、


「流石、龍姫先輩ですね !」


「どうせなら、慰謝料も取れば良かったのに ! 」


「私なら、ギタギタにしてやるのに ! 龍姫も甘いわね」


 お絹ちゃんも令子さんも明日香も興奮しながら話していた。


 う~ん、ますます俺は頭が上がらなく成る予感がするぞ !


 俺の明日は………どっちに成るんだ ?

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