第278話 恋愛バトル・ロワイアル ⑤

【深雪side】


 地方テレビ局とは云え、『My・Tube』で何時でも見れる時代。

 日本全国に私達がモテない姿をさらすのは流石に抵抗あるわ !

 私達は、お笑い芸人を目指している訳じゃ無いんだから、笑われるのは絶対に嫌なのよ !


 くっ、一応 パートナーの決まって無さそうな男の子を見つけてキープするしか無いわ !

 博子の方を見ると呑気のんきに唐揚げを食べながら、


みゅっき深雪モシャモシャ唐揚げを食べている どうしたの!

 この唐揚げ、美味しいよ ! 何処のお店の『唐揚げ』か、後でスタッフさんに聞いてみようよ !」


 ………この脳天気娘め、私が どれだけ悩んでいると思っているのよ !


「良いい、よ~く聞くのよ。 今、私達は テレビカメラで録画されているのよ」


モシャモシャモシャモシャ焼き鳥を食べている 知ってる !

『イバテレ』こと『イバラキテレビ』でしょう !

 ローカル放送だけど、私は好きだよ」


「 この後で『告白タイム』があるんだけど、私達が あまり話しをしていない男の子に『告白』しても『ごめんなさい !』されるのは、目に見えているのよ !」


モシャモシャモシャモシャピザを食べている 仕方ないよぉ~

 良い男の子が居ないんだから、私達のセイじゃないでしょう~」


「だ・か・ら良~く聞くのよ ! 私達が『フラれる姿』が、テレビを通じて流れてしまうのよ !

『My・Tube』でも流れるから、全国に私達が『モテない』ことが、さらされるのよ !」


モシャモシャモシャモシャ太巻き寿司を食べている モシャモシャモシャモシャ食べながら考えています……………ングング ゴックん !

 たっ 大変じゃないのぉー ! 何とかしてよぉ~、みゆエモーン !」


 ………まったく、この娘はぁ~。


「 私の『灰色の脳細胞のうさいぼう』は伊達じゃないのよ !

 菖蒲学園の馬謖に任せなさい !」


 最終手段は在るんだけど、出来れば適当な相手をでっち上げて『偽装カップル』に成って誤魔化すしか無いわ。


 私は博子を連れて、まだあぶれている男の子を探した。

 もちろん、さっきのシャイアン達は論外よ !

 あ~あ云う奴らは、弱味を見せたら何処までも付け上がるからね !

 チラリと 呉学人良純を見ると、アチラと目が合った。

 良純も自分が誰からも『告白』されない事に気がついたのか、必死にフリーの女の子を探しているのだろう。

 あの様子だと、おそらく相手は…………


 お~おっと、良純の心配をしている処じゃ無かったわ!

 頼り無い相棒博子を見捨てる訳にはいかないから、私も本気を出さないと !




 ───しかし、深雪も良純も気が付いて無かった。

 テレビ局スタッフが、こんな良い場面をこんな面白そうな場面を見逃すハズがあるわけが無く、しっかり撮影されていたことを !────

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