第267話 青春って何だ、アノ白い玉 !
【神宮坂良純side】
和茂と一緒に甲子園の試合を見ているとスマホにメールが来た。
確認すると野球部のキャプテンからで、
『明日は練習に出てくるように !』
との命令メールだった。
和茂にも同じメールが来たらしく怒っていた。
「 可怪しいじゃないか !俺達は、廃部しそうな弱小野球部を救う為に名前を貸しただけの幽霊部員だったハズだろう !
それが『お願いメール』じゃ無くて『命令メール』なんて、どう考えても可怪しいじゃないか ! 」
「 まあまあ、あの人の良いキャプテンが こんなメールを送ったと云う事は訳があるんだよ。
明日にでも訳を聞いてから判断すれば良いじゃ無いか 」
俺が冷静に説得すると、
「 普段は、良純の方が怒っているくせに………」
「ハッ ハッ ハッ、何のことかな。 この菖蒲学園の呉学人 ! 何時も冷静沈着ではないか !」
まだ、不満そうだった和茂だけど、とりあえず矛を納めてくれたのだった。
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次の日
野球部のグラウンドに行くと見慣れない大人がユニホームを着て仁王立ちをしていた。
脇にはキャプテンの
「 ふぅー、ギリギリ九人とは本当に弱小野球部なんだな ! 」
何なんだ、この偉そうなオッサンは !
「 すまないね、神宮坂くん に 神宮橋くん。
他のメンバーが怪我をしてしまったので、
他校との練習試合があるから出場して欲しいんだよ !
頼む、協力してくれないか ? 」
「そういう理由だったのなら良いですけど、………その偉そうなオッサンは誰ですか、キャプテン ? 」
バカ、和茂の奴、もう少しオブラートに包んで話せ無いのかよ !
「 アレ ? 知らなかったかなぁ~、ウチの野球部の監督の
普段は、普通の会社員だから めったに姿を見せないから仕方ないのかも知れないのかもね 」
「 それで、練習試合は何時なんですが? 相手チームは、何処の高校ですか ? 」
俺が聞くとキャプテンは言いづらそうに、
「 練習試合は3日後で相手チームは、同じ県内の『 最強学園野球部』の三軍なんだけど…………」
「「 なっ !
最強学園と云えば甲子園常連高な上に今年の優勝候補の一角じゃないか !
例え三軍でも他所の学校だとエースクラスの集まりだぞ。
「まあ 『勝て』とは言わないが、せめてマトモな試合にする為にも練習して貰うことにした !
幽霊部員でも何とか格好をつける為に練習に参加して貰うぞ 」
監督の言葉に、その場から逃げ出したくなったがキャプテンの顔を見ると そういう訳にも行かないかぁ~
俺達は仕方なく練習に参加したが、普段 録に身体を動かさないせいで、かなりキツかった練習に成ったのだった。
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3日後、
最強学園の三軍チームに俺達弱小野球部が敵う訳でも無くて………
36 対 0 三回コールドゲームに成り負けてしまったのだった。
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