第254話七夕

【勇気side 】



「「「ささの葉さらさら のきばにゆれ~る♪………………五色の短冊 私が書いた………♫…………空から見てる~♬」」」



僕と瞳、楓で七夕たなばた短冊タンザクを作りながら歌っていると、


「 ただいま………おぉー! そうか、今日は『七夕』だったな」

真理ねえが帰って来た。


「 青、赤、白、黄、紫、の紙で~すね !それで、何をするので~すか ?」

アリスが不思議そうに聞いてきた。


「え~とね、短冊に願い事を書いて、……………あと、何をするんだったかなぁ~」

あまり詳しない僕に、


「おぉー ! それなら『世界征服をしたい !』と書けば、世界は『アリス』のモノに成るで~すね !」


「駄目だよ ! 願い事は、ささやかな願い事とか『世界平和』とかを書いて願うモノなんだよ !』


「 …………願い事を何でもかなえてくれる訳では無いので~すね

少なくても私が住んでいた『ノースダコタ州』では、無かったイベントで~すね。

由来とかは、あるで~すか ?」


「え~とね、織姫と彦星が一年の中で一度だけ逢える日で、雨が降ると天の川の水があふれて逢えないんだったかなぁ~ 」

う~ん、おおざっぱにしか覚えていないや。


真理愛

「 『七夕』は、アジアの行事だからアメリカでは あまり見ないと思うよ。

由来は、


『天帝(神様)の娘である織女は、機織りが上手で働き者の女性。天帝は、同じく働き者で牛飼いの牽牛と引き合わせました。二人はひと目で恋に落ち、結婚しました。 ところが結婚すると遊んでばかりで、働かなくなるという結果に。怒った天帝は二人を天の川の両岸に引き離しましたが、織女が泣いて悲しんだため、年に1度、七夕の夜にだけ会うことを許すようになった……』ちなみに、織女星(しょくじょせい)はこと座のベガ、牽牛星(けんぎゅうせい)はわし座のアルタイル。どちらも1等星で明るい星だよ」


───じゃらんニュースより抜粋しました───


「 酷いで~す ! 『ロミオとジュリエット』見たいで~すね !」


まあ、権利意識の強いアメリカ出身のアリスには納得出来ないよね。


「 そうか、軒下に『てるてる坊主』が、ぶら下がっていた理由も判ったよ」


「 あの変な奴で~すね、呪いのアイテムだと思って見ないようにしてたで~すね」


「『 てるてる坊主 てる坊主~♬ 明日~天気にしておくれ~♪』と云う歌があって『晴れ』にしてくれるアイテムなんだよ」

僕が言うと、


「 確か、続きがあって『晴れ』にしないと『首』を『ちょん切る』と云うのも有ったと思うよ」

楓が『プチ知識』を教えてくれた。


「 おや、テーブルにある『七夕』のお飾りの折り紙も君たちの自作かい」


「違うよ、真理姉。 由利子先生の従姉妹の秋桜こすもすちゃんが、小学校の図工の時間に作ったのを分けてくれたんだよ」


「 クリスマスツリーに飾るので~すね ! 私も飾り付けを手伝いま~す」


「違うよ、アリス。 飾り付けは『笹の葉』に飾るんだよ !

ちょうど縁側に笹の葉が生えているから、そこに飾るんだよ」

僕が説明すると、


「あの大きく成らない『竹』で~すね 」


「アリス、『竹』と『笹』は別の植物なんだよ。

アタシも詳しくは知らないが『竹』は大きく成るけどま『笹』は大きくは成らないんだよ」


へえ~、真理姉は 物知りだなぁ~


皆で飾り付けをした後に短冊は僕達が5人いるから、それぞれが担当して書く事にしたんだ。

ジンは短冊の願い事は辞退したので、代わりに僕が書こうと思っている。


僕は短冊🎋に『 ジンと もっともっと仲良く成れますように』『世界平和』などを書いたけど…………

アリスの短冊をのぞいて見ると『 ジンと結婚出来ますように』と書いてあるのを見て、あわてて僕も願い事を付け足したのだった。




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