第251話妹は大変だよ! ニートの龍さんと妹、秋桜ちゃん ⑦

【龍太郎side】


 いつの間にか外堀が埋められつつある。

 妹の秋桜もアッサリ買収されているし………俺の価値って、ガ◌ガリくんより低いのかよ !


 由比ヶ浜 雫


 確かに、可愛いいけどさ…………正直、タイプなんだけど……地雷臭がするのは気の所為せいでは無いと思うんだよな。


「龍太郎さん………ごめんなさい。 私、少し強引だったよね。

 だけど、誰にも貴方を取られたくなかったのよ !

 貴方の『運命の番をさがして八万キロ !──私の赤い糸は誰と繋がっているの── 』

 を、読んでから貴方のファンに成ったわ。

 貴方のエッセイや『 逆ギレ戦隊 オレガワルインジャー』も読んで貴方の文章や人柄が好きに成っていたのよ 」


 恥ずかしそうに告白する姿に心が グラグラとれている。


 グラリ !


 心が魂が彼女にかれそうになる。


 このまま彼女を受け入れろ !


 可愛い彼女が出来るんだから良いじゃないか !


 これを逃したら一生ボッチになるぞ !


 俺の中の悪魔 ・ ・ささやく。



 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ 逃げろ


 今、逃げないと彼女から一生逃げられずに捕らわれるぞ !


 俺の草食男子の本能が危険を知らせた。



「うふふふふふ。逃がさないわ、龍太郎さんは私の『運命のつがい』なんだから………やぁ~っと見つけた私の半身なんだから !」


 その時、俺は自分の勘違いに気がついた………彼女は『肉食女子』などでは無く食虫植物に似た存在なんだと云うことに………

 彼女の甘い声はセイレーンのごとく、彼女の甘い匂いは媚薬のようで………

 はかなげな彼女の容姿は傾国の美少女だった。




 ♟♞♝♜♛♚♙♘♖♕♔♗


【秋桜side】


 私、秋桜は雫お姉ちゃんのお土産の『うまいぞー棒』を食べながらお兄ちゃんと雫お姉ちゃんが仲良くしている様子を見学していた。


 うん、お兄ちゃんには、これくらい積極的な女の子じゃ無いと一生ボッチな人生を歩いていると思うんだ !

 決して、雫お姉ちゃんに買収された訳じゃ無いよ !

 ヒキニートのお兄ちゃんが、このチャンスを逃したら ずっ~とボッチだから秋桜が雫お姉ちゃんと仲良く成るように協力しただけなんだからね !


 雫お姉ちゃんは、秋桜に『ガリ◯リくん』や『うまいぞー棒』をプレゼントしてくれた良いお姉ちゃんだもんね !

 お兄ちゃん想いの妹とお兄ちゃん大好きな雫お姉ちゃんが居るお兄ちゃんは幸せ者なんだよ !

 ヒキニートのお兄ちゃんを秋桜と雫お姉ちゃんが更正して真人間にするからね !


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