第227話閑話 紅い悪魔 ④

少し時が戻ります。


【アルテside 】


私とシアが信太郎くん達と遊んでいる間に お店猫カフェでは、事件が有ったそうだ。

アルバイトの人が皆、休みで 兄さんクワトロとレイさん と ドズールおじさんが対処したと聞いたわ。

沢山の猫達がウチ猫カフェ雌猫むすめたちを狙って押し寄せたらしい。

やっぱり、十二匹も雌猫女の子が居ると 本能で判るのかしら ?


奴ら雄猫たちは、必ず又やって来る ! 油断するなよ、クワトロ !」


「 ああ 判っているさ、レイ ! 『二度あることは三度ある』とも言うし気を引き締めて行こう 」


「 盛り上がっている処 悪いが、俺は自分の店があるから帰るな !」


ドズールおじさんは、ココとは違う別の田舎で喫茶店を営業している。

今日は、看板猫の『 ミネバ 』を連れて遊びに来たみたい。

ドズールおじさんの入れるコーヒーは凄く美味しいらしい。

本当なら、兄さん達はドズールおじさんから『 美味しいコーヒーの入れ方』を教わるハズだった。


「 ねえ ねえ ドズールおじさんの お店の名前って何だっけ ?」

シアがドズールおじさんに聞いていた。


「 『 木馬もくば』だ。 昔、ポニー と云う小型の馬を飼っていたからな。馬も可愛いぞ、世話は大変だがな」

目を細目ながら嬉しそうに言うドズールおじさんは、本当に動物が好きなんだろうな。


「 そうなんだ、間近で馬を見た事が無いから良くわからないなぁ 」

シアが残念そうに言っていたら、


「 フム、 確か隣県で『 ポニー牧場』が有ったと思うのだが、興味が有るならば自分で調べて見ると良い」


なるほど、薫くん と信太郎くんを誘ってシアと一緒にダブルデートも良いかも知れないわね。

一応、仲良く成ったけど博子や深雪は薫くん達の反応しだいで誘うか決めようかしら。

だいぶ薫くん達とは仲良く成ったけど、信太郎くんは、どうも女性が苦手みたいだからグループ交際で慣れて貰った方が良いのかなぁ。

とにかく、警戒するのは『崑崙三姉妹』ね !

博子たちと違って、まだ何か秘密が有りそうだし『婿むこを連れ帰る』とか言っていたから注意しないとイケナイわ。


そんな事を考えていたら、アルバイトの川崎かわさき九江素くえすさんが、


「 クワトロ店長、猫ちゃん達の部屋を掃除していたら『 チュ◌ル』の空き袋がこんなに出てきたんですけど、心当たりあります ? 」

九江素くえすさんの手には沢山の『 チュー☆ 』の空き袋が有った。


「 おい、クワトロ ! オヤツをあげるのは良いが、きちんと空き袋を回収しないと駄目じゃないか ! 」


「 いや、私では無いぞ ! レイだと思っていたのだが………アルテかシアが猫たちにあげたのか ? 」


私達が首を横に振ると、


「 お客様が来た時には勝手にエサをやらないように注意しているからお客様では無いし、一体何者が猫たちに『 チ◇ール』を………」



レイさんが猫部屋の防犯カメラのレコーダーを確認すると、そこにはアノ『デブ猫』が映っていた。


「 なっ……この私が猫に出し抜かれただと ! この『 デブ猫 』は化け物か !」


「 くっ、ではアノ猫たちの襲撃はオトリだったと云うことか !

クソゥ、一体何者が糸を引いているんだ ? 」


兄さん とレイさんが猫に出し抜かれるなんて………


「 ウム、俺と対峙した『 猫 』は ただ者ではなかった ! きっとアレは、この辺りの『ボス猫』だろう。 もしかしたら、あの『ボス猫』が猫たちを率いて撹乱かくらんしたのかも知れんな 」

ドズールおじさんが考えこむように答えた言葉に私達は恐怖した……


後で判った事だけど、商店街で聞き込みをしたら あっさり正体が判った。

ボス猫の名前は『 にゃん太郎』、忍び込んだデブ猫は『コロッケ』

茂手内もてないお肉屋の看板猫だと判った。

『 にゃん太郎』も たぶん、何処かで飼われているらしいけど詳しくは判らなかったわ。


兄さん達は改めて気合いを入れていた。





※ 作者より


リアルの仕事が忙しい為、奇数日更新に戻します。

勝手ながら よろしくお願いいたします。

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