第208話 新ボーイミーツガール ②
【 信太郎side 】
アルテさん とシアさんは、僕達と一緒の部屋を借りる事に成った。
四人で割り勘にしたら僕達も助かるから歓迎するべきなんだけど、人前でギターを弾くのは ちょっと恥ずかしいなぁ~
ギターの弦を調整しながら最初に何を弾こうか考えていると、
「 最初は、ナラシ代わりに『禁じられた遊び』を弾こうか 」
薫くんが提案してくれたので のることにした。
一曲弾き終わると二人は拍手して迎えてくれた。
定番な曲だったけど、久しぶりに弾くには丁度良い指ナラシにはら成ったかな。
その後は二人のリクエストに応じて曲を弾き続けた。
観客は アルテさん と シアさんの二人だけだったけど、とても楽しかった。
「 音楽は良いねぇ~。人の文化の極みだよね 」
薫くん、ありがとう。 良い気晴らしに成ったよ。
【 シアside 】
本当は早く帰って、レイさんのお手伝いをするつもりだったんだけど
アルテが『 どうしても』と言うからカラオケに付き合う事にした。
クラスでの印象は、確かに彼らは良い人なのだと思うんだけど………
そんなイメージをカラオケ屋さんの部屋でギターを演奏する彼らを見て変えざるを得なかった。
最初、ぎこちなかった演奏が時間を経つごとに
彼、鎌倉 信太郎くんの演奏に いつしか真剣に聞き入っている私にアルテが
「 来て良かったでしょう、シア 」
「 うん 」
と、しか答えようがなかった。
私の初恋は、レイさんだったハズなんだけど………この『 トックン !』と、胸で高鳴る気持ちは一体 何なのかしら………
もしかして、アルテも
何故だか『 ホッ 』としている私自身に気付き、もしかしてと思ったけど 今、答えを出すのは早計だと思い帰ってからアルテと相談する事にした。
カラオケ屋さんから帰る頃には、私達は打ち解け仲良く成っていて 互いに
ファーストネームで呼び合うように成っていた。
鎌倉 信太郎
彼が、これから親友になるのか ? それとも………
私自身、気は多く無いつもりだったんだけど 自分の気持ちが解らなく成っていた。
【 薫side 】
信太郎くんには幸せに成って欲しい。
もちろん、親友としての素直な気持ちだ。
失恋には、新たな『恋』が 一番の特効薬だと思い バージニア姉妹を誘ってみたんだけど…………
見事に空振りしてしまったね。
まあ、失恋したばかりで直ぐに切り替える程 器用な奴なら親友には成って無いんだけどね。
信太郎くんが、深雪さんを選ぶか それとも バージニア姉妹を選ぶか ?
選択肢は 多い方が良いだろうから、僕は
由利子先生だったら面白かったんだけど、一足遅かったね。
本当に残念だったよ。
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