第206話 閑話 紅い悪魔 ③

九江素くえすside】


少し計算が狂ったけど計画どうりだわ。

ライバルは横須賀よこすか 奈菜伊なないのオバサンだから若い私の方が有利なはずよ。

今、クワトロさんは 店に忍び込もうとした猫を追い払おうとしているけど………あれって、総菜屋さんに居た『コロッケ』と云う猫なんじゃ ?

あんなデブ猫を見間違う訳無いわ !

私が捕まえればクワトロさんからは感謝されて、総菜屋さんに送り届ければ、今晩の晩御飯のおかずをオマケして貰えるかも知れないわ !


さっそく、コロッケと云う猫を捕まえようとしたけど………はっ 速い !

あの体型で、なんてすばしっこいの !


「 ムウ、この私が翻弄ほんろうされるとは、この どら猫は化け物か ! 」


「 クワトロさん、あれはコロッケは 只の総菜屋さんの猫だから 化け物でも何でも無い普通 ? の猫のはずよ ! 」


「 しかし、このどら猫の狙いは何だ ?………そうか、わかったぞ !

このどら猫め ! ララァ達は貴様コロッケには渡さん ! 」


「 レイさんも見てないで、手伝ってくださいよ ! レイさんのマチルダやミライのみさおの危機なんですよ ! 」


「 駄目だ ! どら猫にあの娘猫たちは、やらせない !………

くっ、やはり速いな ! 通常の猫の三倍は速いんじゃないか ? 」




結局、どら猫コロッケには逃げられたけど………


「 レイ ! コロッケは必ず、又やってくる。ララァ達を狙いに !」


「 クワトロ、俺も同意見だ ! コロッケの目は、あきらめていなかった。警戒の為にアルバイトの件は承知した。

明日にでも、彼女達のシフトを決めないとコロッケに出し抜かれると俺の感が言っている」



結果的に私達のアルバイトは正式に採用された。

あのどら猫コロッケには感謝しても良いかも知れない。

だけど、今度こそ捕まえてやるんだからね !

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