第205話 閑話 紅い悪魔 ②

【 クワトロside 】


「 おい ! クワトロ、どういうことなんだ

何故、川崎かわさき 九江素くえすが居るんだ !

おまけに、茅ヶ崎ちがさき 天城あぎ千花ちか =ベイルートに横須賀よこすか 奈菜伊なないまで、俺達のストーカーばかりアルバイトに雇うなんて 何を考えているんだ ! 」


レイが青筋をたてながら怒っている。


「 私もよくよく運の無い男だな………せっかく都会から田舎に移転したと云うのにストーカーに見付かるとは……」


「貴様が 貴様なら、もっと上手く出来ただろうに ! 」


「 二手、三手を先に読んだつもりが、奴らの方が化け物だったと云う話だ

許せ、レイ 」



「 まあ、俺は良いが お前の妹達には、何て言い訳をするんだ ?

アルテちゃん も シアちゃんも彼女達を嫌っていただろう 」


ずけずけと言ってくれる !

しかし、それでこそ我が相棒だ。


「 半分の天城あぎ千花ちかは、レイが目的なんだから、私をせめられても困る !

頼む、レイ ! 私を導いてくれ 」


妹のアルテもシアもレイにはなついているし無下には断わらないだろう。



【 レイside 】


ちっ、やってくれる !

二人に頼まれたら断われ無い事を知って『 導いてくれ』だと !


「 だったら、何故 飲食店などをやっている経営している

貴様なら他の仕事も選べただろうに ! 」


「 他に食べる方法を知らんからさ。

だから未だに嫁さんも貰えん 」


くっ、その気になれば選び放題の癖に !

しかし、今はコイツクワトロと争っている場合では無い。

大丈夫、俺なら上手くやれる !


結局、彼女達をアルバイトで雇う事に賛成した。

野放しにする方が危険だからだ。


今、クワトロは店に忍び込もうとした猫を捕まえようとしている姿を見て、ため息しか出なかった。

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