第203話 新一年生🌸🌸 ④
【 由利子side 】
私が交際を断わったら、涙ぐみながらも我慢して私とハルトが幸せになることを祈ってくれた 鎌倉 信太郎くんに尊敬の念を抱いた。
彼の年齢なら私やハルトを
ハルトに出合いプロポーズされて無ければ、あるいは………
私は、彼が出て行った後も少し残り反省をしていた。
普段の私の態度が、彼を誤解させたのではないかと………
しばらくするとハルトが進路指導室に入って来た。
「 終わったのですか……」
「 ああ、終わった………フラれるのは
「 その『 痛み』を私も一緒に負担させて貰えますですか ? 」
「 こんな私で よければ、 よろしくお願いいたします 」
こうして私とハルトは結婚を前提として、お付き合いをする事になったのだが 若い頃の予想と違い ほろ苦い『恋』のスタートだった。
【 深雪side 】
信太郎くん達が化学準備室に入ってから、どのくらい経ったのだろう。
本当は、数分しか経って無いのかも知れないけど 私には数時間経っているように思えた。
やがて………
ガラ ガラ ガラ ガラ ガラ ガラ ガラ
ドアが開き 信太郎が一人で出て来た…………
「 …………着衣の乱れは無いようね 」
「 …………雰囲気も普段の信太郎くん と同じだから………貞操は守られたみたいだ」
楓と薫くん が冷静に観察しているけど………信じて良いんだよね !
廊下に出て来た信太郎の周りに私達が近づくと
「 皆、心配させてごめんね。 もう大丈夫だから………」
信太郎くんの言葉に私達は、
弱味につけこむつもりは無いけど、私達………私が彼を癒してあげたい……
学園から直ぐ近くの学生寮まで信太郎と薫を送り、私と博子は無言で一緒に帰宅した。
いつの間にか、小雨が降っていたけど………
明日には晴れるよね、天気も信太郎くんの心も………
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