第202話 新一年生🌸🌸 ③
【 由利子side 】
困った、本当に困った !
楓と真理愛のお
モテた事が無い私は、大いに悩んでいたのだった。
もちろん 目移りしている訳では無い !
鎌倉 信太郎くんを どうやって傷つけずにフルかを考えていたのだ。
若い彼には、やはり歳 相応の女の子がお似合いだろう………決して、私が アラサーだからでは無い !
それと深雪の恨みがましい目が、めんどくさい !
教え子の思い人に手を出す程、私は飢えていないつもりだ。
だが、鎌倉くんの告白が無ければ ハルトからのプロポーズも無かっただろう事を考えると複雑な気持ちにもなる。
モテたいとは思っていたが、いざ モテだすと実にめんどくさい事が判った。
私が悩んでいるとハルトが心配して
「 由利子を困らせる気はありませんでしたが、
よかったら私が
「
それまで、ハルトへの返事を待ってくれるとありがたいのだが………」
「 由利子を信じて待っているでーす !
でも、
私は、鎌倉くんに嫌われる事を覚悟して彼に返事をする為に放課後に進路指導室に呼びだした。
【 深雪side 】
鎌倉 信太郎くんが放課後、進路指導室に呼び出された。
校内放送の声が由利子先生だったから、彼に返事をするのだと思う。
信じていますよ、由利子先生 !
ハルト先生にも告白されたんだから、ハルト先生を選んで下さいよ !
若いツバメだからといって、信太郎君の告白を受け入れないで下さいよ !
まさに祈る気持ちで、進路指導室に向かった信太郎くんを見詰めていた。
「 深雪、チャンスよ ! フラれた信太郎くんを
博子は
進路指導室から信太郎くんが出て来た……案の定、由利子先生にフラれたのか涙ぐんでいる彼に私は
「 あら あら どうしたの ? よかったら先生が相談にのるわよ ! 」
と言いながら信太郎くんを抱きしめて化学準備室に連れて行ってしまった。
えっ えっ 私が慰めるつもりだったのに、今のは何だったの ?
ごくごく自然に生徒を自分のテリトリーに連れ込む新任女性教師に 呆気にとられていたら、楓が見ていたのか………
「 アチャァ~ 、 一足遅かったわね ! あの新任女性教師は、ウチのクラスの副担任の『 成田
ああ云う『ポヤァ~ 』とした女性は、意外と油断出来ないんだよねぇ~ 」
そんなぁ~ ! 嘘よ、誰か『嘘』と言ってよ !
化学準備室の中から、なかなか出て来ない二人にやきもきしながら待つしか無いのがもどかしかった。
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