第199話 新一年生🌸🌸 ①

【勇気side】


聖子や秋奈たちとクラスは変わってしまったけど僕達が一緒のクラスに成った事に『 ホッ』 としていた時に………


ガラ ガラ ガラ


少しだけ教室のドアが開き男の子が顔をのぞかせてキョロキョロしていた。

あれは前のクラスメートの鎌倉くん……だったよね……誰か探しているのかな ?


その時、目があったかと思うと教室に入って来て僕の前に立ち



「霞ヶ浦 勇気さん、話があるんだけど いいかな ?

出来れば他人ひとが居ない所で話したいんだけど追いて来てくれるとありがたいんだけど 」


「へっ………? ぼっ 僕にはジンと云う婚約者が居て鎌倉くんの気持ちには……


焦って答えようとしている僕に


「 ちっ 違うよ 、 誤解だよ ! 由利子先生の事で聞きたい事が有ったんだよ !」


顔を真っ赤にして答える鎌倉くんに対して


「「「「 キャァー !!! 可愛いぃぃぃー 由利子先生じゃなくて私達は、どうかなぁ~ ? 」」」」


数人の女子生徒に囲まれていた………


うわぁ~………獲物に群がるピラニアみたいだと思ったけど口には出さないよ。


鎌倉くんの顔色が悪いけど女性恐怖症と云う噂は本当みたいだね。

そろそろ助けてあげないと可哀想かな と思ったところで楓と真理姉が止めに入っていた。


「 はい はい そこまでにしないと由利子先生が恐いよぉ~ !

みんなも噂を聞いたと思うけど、凶器を持った不審者を素手で鎮圧した由利子先生を怒らせても良いなら止めないけど、どうする ? 」


真理姉が、皆を牽制けんせいして


「 鎌倉くん、本当は情報料を貰う処だけど 他ならぬ由利子先生の為に無料にするから、鎌倉くんの由利子先生に対する気持ちを聞かせてくれるかな ?

私達大江戸ファミリーは、由利子先生と一緒に暮らして長いから 家族みたいに大事に思っているのよ」


楓が、何時もと違って真剣に質問をしていた。




【信太郎side 】



利根川さんに質問されて答えようとしたけど恥ずかしくて言葉が出てこないよぉ~

だけど、ここで『 由利子先生が好きだ ! 』と答えないで逃げてしまったら、たぶん一生後悔する気がする。


逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ 逃げちゃ駄目だ !



「 僕は、由利子先生が好きなんだ !

本当に本気で由利子先生が好きなんだよぉぉぉー ! 」



ドサッ ………誰かの教科書が床に落ちた。


振り返ると、そこには………潮来 由利子先生とハルト = ノースダコタ先生が居たのだった。

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