第191話 春休み ⑦

【 由利子side 】


不味かったなぁ~ !

相手が凶器を持っていた事もあって、つい 本気でヤってしまったわ。

生徒を守る為とは云え、やり過ぎちゃったかなぁ~

高等部で引き継ぎをするから竹刀を中等部に置きっぱなしにした為に無手で鎮圧した訳だか………

絶対、ハルトに引かれたに決まっているわ !

強すぎる女なんて恐がれるモノね。

学生時代に面白半分で拳法を教えて貰ったのが生徒を守るのに役には立ったけど『 恋 』にはあだに成ってしまったわ。


そんな落ち込んでいる私にハルトが興奮しながら


「 ユリコは凄いでーす ! 剣士のユリコが強いのは知っていましたが素手でも凄く強かったでーす ! 」


あ~あ、きっと落ち込んでいる私に気を使ってくれているのね。


「 由利子、生徒を守ったんだから誇りなさいよ !

流石、国士無双大学の戦闘女王バトル・クイーンの名は伊達じゃないわね ! 」


「 由利子ちゃん、当時 ファンクラブまで有ったもんね」



真知子、瑠奈るな、大学時代の黒歴史を思い出させないでよね !

なまじ強く成りすぎて、威張り散らしていたレスリング部の部長をボコボコにしてしまったおかげで男の子達から敬遠されるように成ってしまったのよ。


「 学園長からも御咎おとがめどころか褒められたんでしょう

助けられた生徒も感謝しているみたいよ 」


そう言いながら真知子が指差す方向を見ると職員室の入り口に四人の生徒が居た。


鎌倉 信太郎くん、江ノ島 薫くん から熱い視線を感じるのは感謝しているだけよね。


一方で、博子と深雪からの恨みがましい視線は何故だ !


まあ、とにかく話だけでも聞いてやるか と思い職員室の入り口に向かった。



【真知子side 】



由利子は本当に鈍感どんかんね !


あの生徒達鎌倉くん と 江ノ島くんの目は、あこがれ と『恋』する乙女………男の子達だったわね、二人共 綺麗な顔立ちだから女の子でも通用しそうなんだけど………


確かに由利子のファンクラブは女の子ばかりだったけど、キチンと男の子達にもモテていたのよ。

…………ファンクラブの女の子達が全力で邪魔していたけどね!



面白そうだから教えてあげないんだけど。


「 あ~~ 、 真知子ちゃんが悪い顔をしているぅー」



由利子がモテ始めたら少しは慌てるのかしら、ハルト先生は ?




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