第187話 春休み ③
【 勇気side 】
昨日のお墓参りの時は、あんなに暖かかったのに一転して今日はとても寒かった。
エアコンを
「 勇気、さっきテレビで電気が不足しているから節電を呼び掛けていたからエアコンは控えた方が良いと思うぞ 」
瞳が冬のコートを着ながら言ってきた。
「 そーで~す ! 『一人は皆のために 皆は一人のために』で~すね ! 皆で協力するで~す 」
アリスも冬のコートを着ていた。
昨日、二人で村長の手伝いをしてから何故か 、とても仲が良いんだよね。
アリスの日本語は、やっぱり可笑しいよね。
今度、皆に相談しようかなぁ~ ?
そんな事を考えていたら、ジンが石油ストーブを茶の間に運んできた。
「 暖かくなって来たから仕舞ったけど物置から出してきたよ 」
「 石油ストーブのタンクは空にしていたから入れないと使え無いよね、まだ灯油は有ったかなぁ~ ?」
楓の言葉に僕は直ぐに動いた。
「 物置小屋を見てくるよ ! 確かまだ有ったと思うよ 」
僕が部屋着のままで外に出ようとしたら
「 外は冷たい雨が降っているから上着を着た方がいいにゃ ! アタシも一緒に行くのだニャン ! 」
真理姉が既にジャンパーを着ていた。
うわぁ 僕が一番最後に起きたのかー !
いくら春休みでも気を抜きすぎちゃったかなぁ~
物置小屋に行って見ると四つあるポリタンクの一つに八割程残っていて、残りのポリタンクは空だった。
危なかったなぁ~ 全部使いきらなくて良かったよ。
これだけあれば、今日一日くらいは持つかな~
「 由利子先生にガソリンスタンドに寄って貰うように頼むんだニャン ! ポリタンク一つくらい買って来て貰えば大丈夫でしょう………ニャン 」
「 真理姉…………無理に『 ニャン 』を着けなくても良いんじゃないの ? 」
「良いんだニャン ! これくらいしないと個性的なメンバーの中で忘れて仕舞われるニャン ! 」
何処まで本気で言っているのかな~
♛♚♜♝♞♟
灯油を運んで来たら由利子先生やハルト先生が朝食を急いで食べていた。
「 あすは終業式だから先生達は大変みたいだよ 」
と、ジンが教えてくれた。
僕達は卒業したから忘れていたけど、先生達や在校生達は、この寒い日も登校するなんて大変だなぁ~
ストーブに火が入ったから時期に暖かくなるだろうけどそれまでは上着を着ていた方が良さそうだね。
テレビではしきりに『節電』の呼び掛けをしていた。
【 由利子side 】
こんな寒い日に出勤なんて嫌だなんて言えないのが教師の辛い処だ。
朝食を食べていたら勇気に灯油を買って来るように頼まれた。
この雨の中、子供たちに買いに行かせたら『風邪』を引いてしまうだろう。
せっかくの春休み、高校生活が風邪で台無しになるのは可哀想だから気持ち良く引き受けた。
まあ、家事全般を子供たちに任せているから これくらいは役に立たないと大人としての立場が無いからな。
それにしても気が滅入りそうだな。
終業式の準備に仕事の引き継ぎ、そして高校の授業の準備と大変忙しい。
あ~あ、子供たち 学生が
「 私も一緒に頑張りますから、ユリコも元気を出してくださいね 」
ハルトが
「 ありがとう、ハルト。 一緒に頑張りましょう 」
最近、良い雰囲気になっているから本気で頑張れるわ…………このままステップアップしていけば、グフフフ………っと、いけないいけない また、妄想する処だったわ。
焦っては駄目 焦っては駄目 焦っては駄目 焦っては駄目 焦っては駄目 焦っては駄目 焦っては駄目 焦っては駄目 焦っては駄目 焦っては駄目 焦っては駄目
せっかくの大チャンスを
これから二人で仕事をする事が多くなるんだから焦っては駄目よ。
♔♕♖♗♘♙
【 楓side 】
由利子先生達は学園に行ってしまった。
由利子先生………本音が顔に出ていますよ !
今日は、ゆっくり出来るけど 丁度いい機会だし皆に高校の説明をしないとね !
大江戸ファミリーの
選択授業とか進路希望とか考える事が沢山あるからね。
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