第157話 節分



【アリスside 】


大江戸ファミリー と一緒にスーパー『ドウミヤ 』に寄っていま~す。


アリス

「 今日は、何を買うで~すか 」


勇気

「 今日は節分だから、豆まき用の『 豆 』 と『恵方巻き 』を買うんだよ 」


アリス

「 豆まきは、知っていますで~す。 御寺で、相撲取りの人が豆まきしてるのをテレビで見たことありま~す。 『 福 』はラッキー で 『 鬼 』は デビル の事で~すね ! 」


「 う~ん、鬼 と 悪魔は別だと思うんだが………説明が難しいな 」


「 アリス、アリス、 このスマホの『 絵 』が『 鬼 』だよ !」


楓がスマホで検索したらしい画像を見せているけど、理解出来るかなぁ~


アリス

「 オ~、これならアニメで見ましたで~す ! 」


そう言って、ジンに近づいてからジンの腕を取り


アリス

「 ダーリンのバカァー ! ウワキモノォー ! 」

と叫んで、ジンの腕を振り回し始めた。


アリス

「 『 ウチ、ラムだっちゃ ! 』と、アニメを見ましたで~す 」



周りの注目の中、僕達は急いでスーパーを出た。

アリスのアホー ! また、しばらく『ドウミヤ 』に行けないじゃないかぁー





【忠夫side 】



今、俺は『鬼 』に成っている。

もちろん、豆まきの『 鬼 』だ !


蛍が、図工の時間に作った『 鬼の仮面 』をかぶり鬼役に成っているんだけど……………


何故か、蛍や お絹ちゃん と 令子さん に加わり 明日香=フランクフルト までが、俺に豆をぶつけている。


忠夫

「 痛い、痛い、イタイよ ! 少しは、手加減してくれよ ! 」


「 オニは~外 ! 」


蛍の投げた『 豆 』は痛くないから良いんだが…………



令子

浮気者は~外 ! 」


鬼は~外忠夫さんのバカァー!」


明日香

「 鬼は、くたばれぇー ! 」


三人の投げる『 豆 』が、本当に痛いんだ。


忠夫

「 俺が、何をしたんだっていうんやぁー ! 」


必死に逃げるんだけど、三人は嬉々として『 豆 』をぶつけてくる。


忠夫

「 ふっ ふこうだぁー 不幸だぁー !」


結局 豆が無くなるまで、追いかけっこは続いた。





【 勇気side 】



アリス

「 この恵方巻きは、切らないですかぁ~ ?

このままでは、大きくて食べれないで~す 」



「 アリス。 恵方巻きは、切らずにたべるんだよ 」


勇気

「 今年は、どっちの方向なの ? 」


「 ちょっと待ってくれ。 え~とグ◌グル先生によると今年は『 北北西微北 』らしいぞ 』


勇気

「 『 微北 』 ? 」


「 少し北ということだ 」


アリス

「 方向が何か関係あるですか~ ? 」


「 毎年、方向が違うんだけど 今年なら『北北西微北 』に向きながら

恵方巻きを口から外さずに食べきるんだよ。

あっ 食べてる時は、おしゃべりは厳禁だよ 」


アリス

「 口から外したり、おしゃべりしたらどうなるですか~ ? 」


勇気

「 確か『 福』が逃げるんだっけ ? 」


アリス

「 『 ラッキー 』が逃げるランナウェイ するですかー !

それは大変で~す。 私は全体にしゃべりませ~ん ! 」



台所から、ジンが出てきた。


みんな~、ぬるめの お茶と吸い物が出来たよぉ~ 」



いけない、おしゃべりに夢中に成って ジンの手伝いを忘れていたよ。


勇気

「 ゴメ~ン、ジン。 僕も運ぶの手伝うよ ! 」





一人一本じゃ足りないから、切った恵方巻き と お稲荷さんが テーブルの上に置いてある。




五人で『 北北西微北 』に向かって『恵方巻き 』を食べている。



モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ モグモグ


皆、黙って食べているけど 知らない人が見たら、どう見えてしまうのかな ?



恵方巻きを食べ終わった後、皆が温めのお茶を急いで飲んでいた。

一本を一気食いは、やっぱりキツイよね。



この後、各部屋で『豆まき 』をしている時に 由利子先生達が帰ってきた。


由利子先生とハルト先生が、そろって『恵方巻き 』を食べてる姿を皆でスマホに撮りまくっていたら、二人共 顔を朱くして恥ずかしがっていたんだ。


楓が後から


「 これで、二人共 意識するでしょうね………… これで私の野望に一歩近づいたわ ! 」



勇気

「 『 野望 』って何 ? 」


楓が悪い顔をしている………


「 『 気にしない~ 気にしない ! 一休み、一休み 』よ。勇気ちゃん」



…………………まあ、そんなに『悪巧み 』していないよね。………信じているからね、楓。

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