第156話 新学期(三学期) ⑭



【 忠夫side 】


朝のホームルームが終わり、皆が転校生に群がり始めた。

俺としたことが、出遅れてしまった、急いで突撃しないと


「 グェェェ~ 」


後ろから襟首えりくびを引っ張られてしまった。


令子

「 アンタは、こっちに来なさい ! 」


「 忠夫さんは、私達の言うこと聞いてくれるよね(ニコッ)」



ズルズルと、教室のすみまで引っ張られてしまった。


「 グェェ ちょっと ちょっと 一緒に行くから引っ張らないでよ、令子さん お絹ちゃん ! 」



教室の隅で、二人にしっかりお説教をされてしまった。

まだ、ナンパどころか声さえかけて無いのにぃ~ り・ふ・じ・ん理不尽だぁー !




【明日香side 】



こんな何も無いド田舎に転校なんて、面白く無かったけど…………

プックククク……何、アレ ! まるで、コントを見るようだったわ。


……………てっきり、休み時間になったら有象無象な奴らに囲まれると思ったけど男の子達どころか女の子達もよってこないわね ?


そうか、あまりの美少女ぶりに恐れをなして近づいてこれないのね !

フフフフ、美しすぎるのも『 罪 』よね。


そう思い、一緒に転校した 由比ヶ浜 しずく を見ると……………

男女問わずに囲まれて質問攻めにあっていた。



「 あんた達、バカー ! バカなのね。

私のような美少女を無視して、そんな根暗ねくら女に群がるなんて、あんた達の目は 節穴なの ?頭に詰まっているのは何 ? 脳みそ ではなくて、この県の名物の『 納豆 』でも詰まっているのね !」


ハア ハア ハア ハア ハア ハア………つい、怒りに任せて叫んでしまったわ。

わっ 私は、悪くないわ !悪いのは、見る目の無いこのクラスの奴らよ !



…………クラスの奴らが、引いているのがわかるわ。

せめて、一ヶ月は 猫をかぶるつもりだったのに、これでは前の学校と一緒で ボッチに成ってしまうわ。

もう一度、周りを見回すと さっきの三人だけ他の奴らみたいに引いてないわね。

よし、栄えある私の友人 一号から三号は、アノ三人にしてあげるわ。






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