第150話 新学期(三学期) ⑧


【博子side 】


冬とはいえ、何時もより寒いわね。

早く暖房が効かないかしら !



私と深雪は、エアコンの下に来て 暖かい空気がでて来るのを待っていた。

誰も居ない教室は寒いけど私達が、三学期の『エアコン係 』だから 仕方がないのだけれど………とんだ貧乏くじだったわ !

実際、クラスの係は『 クジ 』で選んだのだけど…………



深雪

「 私 『クジ運 』良いつもりだったんだけど………

勇気の『クジ運』は、どうなっているのよ !

大江戸ファミリー プラス アリスの分の『クジ 』五人分を、まとめて引いて『 係 』を一つも引かないなんて、『 豪運ごううん』過ぎるでしょうよ ! 」



博子

あの娘勇気は、何気に『運 』が良いわよね。

男の子に興味なかったハズなのに、クラスで最初に婚約者が出来るし

その婚約者の男の子は、女顔で可愛い上に『細マッチョ』だし

料理も積極的に造るらしいわよ 」


深雪

「 勇気、楓、瞳 と三人も婚約者が居なければ、私が立候補していたわよ !」


博子

「 ウンウン 判るわ。 私も、そうだもの ! 」


廊下が騒がしく成ってきたから、誰かきたのね。



ガラ ガラ ガラ ガラ ガラ ガラ


入って来たのは、大江戸ファミリー(プラス アリス)だった。



「「「「 おはよう 」」」」


Good Morningおはよう ミユキ、ヒロコ !」


「「 おはよう 」」


相変わらず、アリスは朝から ハイテンションね。


大江戸ファミリーは何時も固まって行動しているけど、最近は アリスも加わっているわね。


私が聞こうとしたら、先に深雪が動いた。


深雪

「 ねえ ねえ アリス、 とあるうわさを聞いたんだけど………


アリス

「 おーー ! もう知ってるで~すか。 『 人の噂も百八日』で~すね 」


博子

「 アリスぅ~ ………『 四十九日』の間違いだよぉ~ 」


深雪

「 『 七十五日 』ね。 博子は、国語の復習をしっかり やりましょうね 」


博子

「 いやいや、そんなことより アリスが大江戸くん達と一緒に住むということは、ハルト先生も一緒に住むということよね 」


アリスが胸を張りながら、ドヤ顔で………………ちょっとムカつくわ。


アリス

「 当然で~す。私と兄さんは家族なのだから一緒に住むのは当たり前のクラッカーで~す。 」


深雪

「 …………前から思っていたんだけど、アリスは誰から日本語を習ったの ?」


アリス

「 日本の漫画やアニメで~すよ。私の生まれる前からの名作など沢山 沢山 見ましたで~す。 」


深雪、博子

「「…………………………」」


博子

「 でも二人とも、大江戸くん達とは 他人よね。

一緒に住むのは、不自然かなぁ~ と思うんだけど…………

大江戸ファミリーは、婚約者同士だから別として、不自然な感じがするのよねぇ~。 」


私達には、後がないから 由利子先生との進展は妨害しないとね。





【 楓side 】



楓ちゃんは、ピキーン とわかったね。

さては、この二人博子と深雪は 由利子先生とハルト先生が恋人に成るのを邪魔する気ね。


普通なら、先生よりクラスメートの友達の肩を持つんだけど、由利子先生と一緒に暮らして 約半年、由利子先生の方が大事になっちゃった。


よ~し、アレを出してこの二人に引導いんどうを渡してあげよう !

私が、アレを出そうとしたら、


勇気

「 ほらほら、このスマホの写真を見てよ !

由利子先生の腕枕にハルト先生が仲良く寝ているでしょう 」


博子

「………たまたま、二人とも酔っ払って、寝ているだけでしょう !

ほら、端っこに ビール缶が転がっているわ 」


勇気ちゃんも私と同じ考えみたいだけど、爪が甘いなぁ。


「 これならどうだ、別の日に写したのは 二人とも着ている服が違うから判るだろう。

二人が、添い寝しているだろう。…………二人の仲は、ここまで進んでいるんだから、いい加減 あきらめた方が 良いと思うぞ ! 」



ナイス、アシストよ ! 瞳ちゃん。



深雪

「 あっ アリスは良いの ? もしかしたら、由利子先生がハルト先生と結婚するかもしれないんだよ ! 由利子先生が、お義姉ちゃんに成っても良いの ?」



アリス

「 ユリコなら大歓迎で~す。

兄さんには、ユリコくらいグイグイ引っ張ってくれる人が良いで~すね」



ガ~~~ン ! と、いった顔の二人深雪と博子


許してね、 私達大江戸ファミリーのアマ~い生活の為には、由利子先生が 片付いてくれるのが近道なのよ !


友情も大事だけど、愛情は もっと大事なのよ。


二人博子と深雪は、とてもへこんでいるけど、ごめんねぇ

私達大江戸ファミリーは、由利子先生の味方なのよ !






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る