第149話 新学期(三学期) ⑦


【アリスside】


ガラ ガラ ガラ ガラ ガラ


玄関を開けて外に出たで~す。


ざっ ざむいでーずさっ 寒いで~す


ガチ ガチ ガチ ガチ ガチ 歯がるのが止まりませ~ん。


急いでポストから新聞を取り出し家に戻りましたで~す。


暖かい部屋に戻ると、カエデがお茶を出してくれたで~すね。


「 はぁ~ 生き返るでーすね。 カエデ、Thank Youサンキューでーす」


「 外に出る時は暖かい上着を着ないと風邪をひいちゃうよ、アリス

今時期は、一年間で一番寒い時期なんだからね 」


「 そういえば、昨日は『大寒 』だったな。 道理で寒い訳だな 」


アリス

「 ダイカン ? それ、何ですかー ? 」


「 『大寒』は、一年間を二十四等分した物で 一年間で一番寒い時期を示した物なんだ。 確か、 二十四節季せっきだったかな 」


勇気

「 反対に一番暑い日とされているのを『 大暑たいしょ 』というんだよ 」


アリス

「 ワァー 全部、覚えるのは大変そ~で~す 」





【由利子side 】



子供達は、馴染なじむのが早いなぁ~

これが若さと云うものか…………いやいや、私だって充分 若いはずだ。


ハルトと二人でコーヒーを飲んでいると、アリスが新聞を持って来た。


アリス

「 紙の新聞なんて止めて、電子新聞にするで~す。

外は寒かったで~すよ 」


「 ハハハ、 すまないな。 出来れば、 本や新聞は紙で読みたいんだ

便利なのは、わかっているんだがなぁ 」



ハルト

「 ユリコは『紙書籍』派でしたか、 少し意外で~すね 」


ハルトがタブレット端末で『英字新聞』を読みながら、聞いて来た。


由利子

「 う~ん、『 紙 』と『電子 』どちらも使っているが、やはり紙の方が好きなんだと思うな 」



アリス

「 私のタブレット端末には、沢山 沢山 『日本の漫画』が入っていますで~す。 紙の本なら運ぶのは大変そ~で~すね 」



その後、学校に行く時間まで『紙書籍 』と『 電子書籍 』の話で盛り上がっていたのだった。





【忠夫side 】



ほたるの熱は下がったけど、大事をとって小学校を休ませる事にした。

母ちゃんは、父ちゃんが風邪を引いたので世話をしに出かけている。


「 お兄ちゃん、学校にいくの ? 」


蛍が不安そうに聞いてきた。


忠夫

「 今日は学校をサボって蛍の側にいるから安心していいぞ 」


そう言って蛍の頭を撫でてやると


「 うん、お兄ちゃん ありがとう(にぱぁ )」

と、嬉しそうに笑った。


忠夫

「 だから、お絹ちゃん も 令子さんも学校に行ってくれ !

休むのは俺だけで充分だからな 」


令子

「 わかったわ。 学校が終わったら、直ぐに戻るから アンタも無理をしないでよ ! 」


「 私は帰りにスーパーに寄って来るけど、蛍ちゃん 何か食べたい物ある ?」



「 お絹お姉ちゃん。 ほたるね、 『プリン 』食べたいなぁ 」


「 わかったわ。 『プリン』を買ってくるから、良い子で待っていてね 」


そう言って、二人は学校に向かった。



「 ……… お兄ちゃん」


忠夫

「 なんだい、蛍 」


「 お姉ちゃん達を大事にしてね 」


忠夫

「 そうだな、大事にするよ 」


そう言った後、安心したのか 眠ってしまった。


二人には、頭が上がらんなぁ~…………しかぁ~し !蛍が元気になったら

また、ナン……………



「 ………また、ナンパしに行くんですか 忠夫さん (ニコッ )」


令子

「 ………アンタも懲りないわね (ニコッ)」



忠夫

「 ちゃ ちゃうんやぁー違うんやー !誤解なんじゃぁ !」



二人が、学校から帰ってきたらお仕置きされる事が決まったのであった。





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