第148話 新学期(三学期) ⑥


【 博子side 】


三連休最後の日


あ~あ、明日から学校かぁ~。


早く『春休み』が来ないかなぁ~


始業式は『 雪 』の為に早く終わったから良かったけど、明日から学校だと思うと憂鬱ゆううつになるなぁ~。



私と深雪は、対戦ゲームをしているけど……………

あくまでも、息抜きで もう少し遊んだら勉強に戻るつもりよ………本当よ。


深雪

「 ねえ、博子 そろそろ…………


博子

「 皆まで言わなくても良いわよ。

『 そろそろ勉強に戻りましょう 』って言うんでしょう

前回の期末試験では失敗しちゃたから、汚名挽回おめいばんかいしないとね 」


深雪

「 私の言いたかった事は違うけど………

とりあえず、博子は国語の勉強を中心にした方が良さそうね 」


博子

「 へっ、 何でさ ? 確かに『漢字』とか苦手だけどさ 」


深雪

「 『汚名』は、返上するのであって『挽回』しちゃ駄目でしょう

挽回するのは『名誉 』なのよ 」


博子

「 ………………よく気付いたね、深雪くん

実は、君を試したんだよ。 良く勉強しているようで感心、感心 」


深雪

「 かなりうそぽっいけど、だまされてあげるわ

そうじゃなくて、由利子先生とハルト先生の事よ


最近、アリスとハルト先生が大江戸ファミリーと一緒に住んでいると云ううわさを聞いたんだけど、どう思う ? 」


博子

「…………事実だったとしても、由利子先生は変な所で真面目だし なんだかんだいっても『奥手』だから進展は無いでしょう

深雪は、心配のし過ぎだよ」


深雪

「 そっ、そうよね。 最近、私達の周りが カップルだらけなので 焦っちゃったわ。 この上、由利子先生にまで 先を越されたら、私達が『ピエロ』みたいじゃない ! 」


博子

「 ない 、 無いわよ ! 私達の方が若いんだし あせる事ないよ 」





【 由利子side 】



ブェ~クション !


う~ぅ、 誰か うわさでもしているのか ?


「 ユリコ、風邪ですか ? 寒いのですから、もう少し暖房の温度をあげますか ? 」


ハルトが心配そうにしていた。


二人きりなら、このまま雰囲気を良くして 距離を縮めるのだが………


勇気

「 また、布団を蹴飛ばして寝ていたんじゃないの !

由利子先生の寝相は、悪いからなぁ~ 」


アリス

「 お~ ! そうなのですね。 兄さんは、逆に 全く動かないので 時々 生きているのか心配になりますで~す 」


「 プー クスクス 意外な一面が知れると面白いよねぇ 」



しっ 失礼な奴らだな !……………そんなに寝相が悪いかなぁ ?


ゴホン、 ゴホン !


由利子

「 そんな事より村長や仁くん からの申し出で、『 一緒に住まないか ?』

との話だが どうする ハルト、アリス ?

幸い部屋なら、まだ開いているから大丈夫だぞ。

経済的にも防犯的にも、一時的に アリスが一人で家に居るのは 物騒ぶっそうなんだがな。

田舎とはいえ、最近は 知らない人間が増えて来たようだし 一緒に住む事を薦めるぞ 」


勇気

「 知ってる ! 『あいしゃるりたーん 』と云う奴だね ! 」


「 『 Iターン』だよ、勇気ちゃん。

今度、一緒に英語の復習しましょうね 」


勇気

「 ぶ~~ ! ちょっと間違っただけだよ 」


…………………


「「「「「「「 アッハハハハハハ 」」」」」」」


ハルト

「 OKで~す。 こちらこそよろしくお願いいたしま~すね 」


アリス

「 やったで~す ! これで掃除と洗濯と料理の負担が減りま~す 」


ハルト

「 ハッハハハハ、 良いジョークだよ アリス。

料理は、何時もスーパーの『お惣菜 』で 味噌スープは『インスタント』な上にライスは『スズキのパックごはん』だったじゃないか ! 」


アリス

「 ………………兄さん、嫌い ! 」



……………………


「「「「「「「 アッハハハハハハ 」」」」」」」


由利子

「 なら、これからよろしくな ! ハルト、アリス 」





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