第145話 新学期(三学期) ④

【アリスside 】


兄さんが、ユリコを気にかけているのは気がついていましたで~す。

知らない女性よりユリコなら安心(?)して任せられますで~す。


天然鈍感な兄さんと慎重すぎて、なかなかアプローチしないユリコにイライラしてたで~すので、カエデのアイディアに乗っかりますで~す。


勇気

「 瞳、由利子先生を運ぶの手伝ってよ。

僕が頭を持つから、瞳は足を持って運ぶよ 」


「 わかった、そ~と運ぶぞ ! 」


勇気

「 酔っ払った由利子先生は少しくらいなら起きないから、楓とアリスはハルト先生に注意してよ ! 」


「 わかったで~す ! 私に、お任せあれ 」


カエデが兄さんから毛布を取りながら


「 勇気ちゃん も 瞳ちゃん も声が大きいよ !

由利子先生は、ともかく ハルト先生が起きるかも知れないし、仁くん には内緒なんだから静かにミッションをしないと駄目だよ 」


兄さんの腕を伸ばして、そこにユリコを寝かせたで~す。


毛布を二人にかける前に、記念に写真を撮りますで~す。



「 ウヘヘヘヘ…………ハルトォ~ …………」


ユリコの寝言に一瞬、ビックリしたで~す。


「 ちょっと待って ! 由利子先生のヨダレを拭き取るから…………

良し、綺麗きれいになったわ。

ヨダレなんて乙女には、あってはいけないことだもんね 」


ナイスですよ、カエデ。


私達は、スマホで写真を撮った後、毛布を二人にかけましたで~す。



台所からジンが出て来ましたで~す。


「 洗い物は、終わったよ。

この後、皆 どうするの ?……………由利子先生達は、寝ているみたいだね

エアコンは、ついているし 別の部屋に移動しようか 」



どうやら ジンには、バレていないようで~すね。


ミッション・コンプリートで~す。


明かりを『 豆電球 』だけにして私達は退出したで~す。


こういう時は


「 後は、若い衆だけに任せましょうで~すね 」

と言うで~す。


勇気

「 アリスは、いったい どんなアニメを見ていたのか聞いても良いかなぁ~ ?」


アリス

「 モチのロンで~す。 私のアニメ愛は最強で~す 」


客室での私の演説に、皆は感動してたで~す。

私の演説は、熱を帯びて終わる頃には日付が変わったで~すね。



【 ハルトside 】



妹、アリスや大江ラヴァーズ恋人達(LOVERS)が 何かたくらんでいることには気がついていましたで~す。


私の腕枕で眠る由利子は、何時もの凛々しい感じは無く 普通の可愛らしい女性に思いますです。


今まで、私に近づく女性達は ギラギラ ・ ・ ・ ・して嫌悪感がありましたが、由利子に対しては自分でもわからない不思議な気持ちがありますです。


自分の気持ちを確認する為にも、ここは彼女達アリス達ミッション計画に載せられたフリをするのも良いですね。


私達が、どうなるかは『神のみぞ知る』で~すね。






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