第144話 新学期(三学期) ③

【 楓side 】


由利子先生とハルト先生が酔っ払って寝ているわ。

二人仲良く安心して、手の届く距離で気持ち良さそうに。



「 それにしても、呑んだわね 」

思わず、声に出してしまったわ。


「 本当、大人って 案外だらしないよね 」

勇気ちゃんが、酔っ払って寝ている二人に毛布をかけながらあきれていた。


周りに散乱した、ビールの空き缶をかたずけていた瞳ちゃんが

「そう言ってやるな ! 大人は、ストレスが多いのだろう。

由利子先生は、実直な方だから 単なる酔っぱらいでは無いはずだ………たぶん」



「 ジンの料理が、美味しすぎるのが悪いで~す。

私も ジン、ユウキ、カエデ、ヒトミも、何時もより 沢山たくさん 沢山 ご飯 お代わりしたで~す。

おかげで食べ過ぎて、デザートのプリンを食べれませ~ん 」


「「「 ウッ ………」」」


確かに、少し食べ過ぎたかも……………


昼ご飯は、焼きたての『餃子 』で、ご飯が進むクン状態だったし

晩御飯の『 ジンギスカン 』は、お肉も美味しかったけど、お汁の染み込んだ野菜が とても美味しかったんだよね。


電気炊飯器に入っているご飯が足りなくて、冷蔵庫に保管していた『冷やご飯』まで 電子レンジで暖めて食べたからね。


由利子先生とハルト先生は、ご飯の代わりにビールを呑んでいたけど………


明日から三連休だから助かったわね。

二人共仲良く、明日は二日酔いが決定ね !


お正月といい、この二人は 案外 気が合うのかな ?


ピキーン !


ひらいたわ。


仁くんは、台所で洗い物をしているわね。


私は、小声で

「 皆、集まって頂戴ちょうだい 大事な相談があるの !

仁くんには、内緒ないしょで女同士の相談よ 」



楓ちゃん、勇気ちゃん、瞳ちゃん、アリス が集まって密談みつだんした。



「 ゴニョゴニョ ゴニョゴニョ…………………………………」


[[[[ ニヤァ~ ]]]]


私達の心は一致した瞬間だった。

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