第143話 新学期(三学期) ②


【 勇気side 】


今日、天気予報で『 南岸低気圧の影響で、雪が降るかも知れない』

と言っていたせいか、いつもより寒いなぁ~


教室も村長が寄付した『エアコン』があるけど、なかなか暖まらないなぁ

ジンを見ると寒そうにしていた。


僕がジンを抱きしめて暖めてあげたいけど流石に教室で、それをやるのは恥ずかしいなぁ~


ふと 外を見ると『 雪 』が降り始めていた。


「 雪、積もるかな ? 」

ジンが、困惑しながらつぶやいた。


「 ジンは『 雪 』が好きじゃないの ? 」

僕が、聞いて見ると


「 う~ん、嫌いという程では無いんだけどね

前に住んでいた所で『 雪 』が降った後、近所の人が転んで怪我をした事があったんだよ。

それに『雪かき』を手伝ったんだけど、とても大変だった記憶があるよ」



「 それって、子供の頃の話だよね

ふぇ~ 偉いなぁ~ 僕は子供の頃は『雪だるま』を造ったり、『 雪合戦』をした記憶しかないや !」


「 手伝ったと言っても、本当に少しだけだったと思うけどね。

それに都会だと、雪が降ると交通機関が乱れて大変なんだよ 」



ピン ポン パン ポン ♬


《 生徒は『ホームルーム』の後、直ちに下校してください !

繰り返します、 生徒は『ホームルーム』の後、直ちに下校してください !》



ガラガラガラ


由利子先生が教室に入って来た。


今日子委員長が、号令をかけようとしたら


「 今日子、『号令 』は、いいから。

皆、そのままで聞いてくれ。

先程、気象庁から『大雪警報』が出た。

これから下校になるが『寄り道、道草』などせずに、真っ直ぐ帰宅するように ! 」



皆、早く帰れる事に嬉しそうだった。


あれ、昼ご飯や晩御飯の材料あったかなぁ

僕が心配しているとジンが


「 たぶん、スーパー『ドウミヤ』は混んでいると思うから、真っ直ぐ帰ろうよ。

確か、『餃子の大将 』の冷凍餃子があるから、お昼御飯は『 餃子 』にしようか。

晩御飯は、お婆ちゃんから貰った『 ジンギスカン』の冷凍パックがあるから、晩御飯は『ジンギスカン』にしよう。 」


「 『ジンギスカン』って、お肉だけで食べるの ? 」

僕が聞いてみると


「 野菜は『白菜』と『モヤシ』があるから、一緒にいためれば

大丈夫よ 」

スマホを片手に持っているから、高速で調べたのかな ?

楓が、僕達の会話に交じってきた。


「 デザートは『アイス』と『プリン』が、有ったはずだぞ !」

瞳までが、話に加わる。


それをアリスが、ジィっ~と見ていた。


「 よかったら、アリスも僕達と一緒にどうかなぁ~ ? 」


アリス

「 いいですか~ 、 私が、ご馳走になっても ?」


アリスが、嬉しそうに聞いてきた。


勇気、楓、瞳も良いかな ? 」


「「「 もちろんだよ 」」」


ジンは、優しいなぁ

アリスは、お兄さんのハルト先生と二人暮らしだから、今から帰って『昼ご飯』『晩御飯』を用意するのは、大変だしね。


「 なら、ハルト先生も誘わないとネ !

楓ちゃんが、由利子先生に『メール』しておくね 」




下校は、アリスを含めた 五人で帰ったけど、アリスが嬉しそうにしているのはさみしかったのかな ?

ハルト先生が帰って来るまで、一人だもんね。


そんな所まで気が廻る『ジン』は、僕の 旦那様(予定)なんだよね。

今年は始まったばかりだけど、楽しい一年に成りそうだね !








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