第139話 お正月 ③

【 アリスside 】


う~ん、もうおせち料理には飽きたで~す。

台所に行くと、良い匂いがしま~す………こっ これは、カレーライス ?


ガス台の前でユウキが鼻歌を歌いながら鍋の中身を静かにかき回していましたで~す。




勇気

「 リンゴ◌ハチミ◇~♬と~ろ~りとっけってっる…………」


アリス

「 もしかして もしかして 、今日のお昼御飯は『カレーライス 』ですか~」


勇気

「 そうだよ ! もう少しで完成だから待っててね 」


アリス

「 やったで~す ! もう、おせち料理は飽きたで~す」


勇気

「 ハハハ、『 おせちも良いけどカレーもね ! 』というテレビCMがあるけど、本当だよね 」



この後、お昼御飯になりましたで~すが、皆いつもより沢山食べましたで~す。


カレーライスは偉大グレートで~す !





【 忠夫side 】


母ちゃんは単身赴任の父ちゃんに会いに大晦日から居ないし、お絹ちゃん も令子さんも家族旅行で居ないので絶好のナンパのチャンスなんだが………


ほたる

「 お兄ちゃん、ほたるを置いていっちゃうの ? 」


なんて服の端をつかみながら涙を出されたら、いくら女の子大好きな俺でもナンパにいけないわ !



母ちゃんが用意していった『おせち料理 』や『お雑煮 』は食いつくした。

成長期の男子学生の食欲を舐めすぎだよ、母ちゃん !


仕方ないから台所に残っていた材料で『カレーライス 』を造ることにした。

蛍が目をキラキラしながら


「 お兄ちゃん お兄ちゃん、 ほたるネ ! 『カレーの王女様』が いいなぁ~( ニパァ)」


子供用のカレー粉あったかなぁ~ と探したがなかった………



忠夫

「 蛍、 兄ちゃん 急いで『 カレーの王女様』を買ってくるから、お留守番

出来るよな ? 」



「 やだ ! お兄ちゃん 、 おいてかないでぇ~ (涙) 」


うぅぅ これじゃあ、留守番は駄目だな。


忠夫

「 なら 暖かい服を着て、兄ちゃんと『ドウミヤ』まで行こうか ? 」


「 うん、 お兄ちゃん だ~い好き ! (ニパァ)」


この笑顔に弱いんだよなぁ~ ………………シスコンじゃ無いからな !





『 ドウミヤ 』の帰りに、たい焼きを買って半分コにして蛍に渡した。


忠夫

「 『 たい焼き』は、兄ちゃんと半分コだぞ !

全部食べると、ご飯が食べられなくなるからな 」


「 うん、ほたるね お兄ちゃんと半分コするね ! 」




家は暖房をつけっぱなしにしていたから暖かいいな。

蛍を着替えさせてから、カレーを造り始めた。


肉は『牛』では無くて『鶏肉』を使うことにした。

蛍は『牛肉』が苦手なので『豚肉』と『鶏肉』で迷ったけど、蛍の歯だと 柔らかい鶏肉の方が良いだろう。



二人でカレーライスを食べた後は、一緒にアニメを観ることになった。

ハードディスクに蛍のお気に入りのアニメが入っているからだ。


『 魔王少女 キョウカ の ミラクル大冒険 』


女の子向けのアニメだけど蛍と一緒に見ているうちに、いつしか…………



【 令子side 】



アイツ もし、また浮気していたら ギタギタにしてやる !

そう思って忠夫くんの家に着くと、既に お絹ちゃんが来ていた。


令子

「 お絹ちゃん ! アイツ 、まさか またナンパに行ってないでしょうね !」


「 シーー ! 令子さん、静かにしてくださいね 」


そぉ~と のぞくと忠夫くん と蛍ちゃんが仲良く眠っていた。

お絹ちゃんが毛布を持ってきて


「 このままだと風邪引いちゃいますよ、忠夫さん

本当に仲の良い兄妹ですね 」


そっと、毛布をかけていた。


令子

「 コイツも妹は可愛いのね

心配嫉妬して急いで来て損しちゃたわ 」


「 私もですよ(ニコニコ)」


……………お絹ちゃんの その笑顔が恐いけど、黙っていた方がよさそうね。


私達は、二人が起きるまで台所をかたずけながら待つことにしたのだった。






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