第134話 それぞれのクリスマス ③

【 勇気side 】


プレゼントの交換は金額を決めて『 くじ 』で決めることにしたんだ。

中味はそれぞれが選んだ『 お菓子の詰め合わせ 』

大江戸ファミリーで相談して、お菓子なら物々交換やシェアが出来るし 中学生のお小遣いでは、買える物が限られているからね。


食べ物の用意は出来たし、後は由利子先生やハルト先生が帰るのを待つだけになったんだけど、由利子先生 遅いなぁ~。



ぐぅぅぅ~ !


誰かのお腹が鳴ったみたいだ、周りを見ても皆『 自分じゃ無い 』と云う顔をしているなぁ。


「 メールを由利子先生に送ってみたけど返事が無いから読んで無いと思うわ

職員会議が長引いているのかなぁ~ 」


勇気

「 職員会議って、昨日もしていたんじゃないの ?

大人は、会議 会議 で大変だよね。 何を、そんなに相談しているんだろうね ? 」


「 次の三学期で私達は、中等部を卒業だろう。 だからその事も会議しているんじゃないか 」


「 僕達の菖蒲学園あやめがくえんは、エスカレーター式で高等部には自動で進学出来るんじゃないの ? 」


「 一応、そういう事に成っているけど、『 いちじるしく成績不良 』や『 著しく素行不良そこうふりょう』だった場合は進学出来ないのよ」


勇気

「 だったら大丈夫なんじゃないの ? 確か、クラスでは『赤点』が居なかったんだよね 」


「 忘れていないか ! 期末試験中に爆睡していた『愚か者 』が六人も居たではないか ! 」


「「「 あっ ! 」」」


驚いたのは、僕とジンとアリスだけで楓は気づいていたみたいだ。


「 伊予に聞いたが、アイツらが爆睡したのは『 乙女ゲーム 』が原因らしい

寝る間も惜しんで『ゲーム』していたから寝不足だったんだろう。」


勇気

「 試験期間中に『ゲーム』していたの !(驚)」


「 どうやらそうらしい 」


「「「「…………………………」」」」


「 じゃぁ、 これ不味かったかなあ~

お正月に皆でやろうと思って買って来たゲームなんだけど 」


ジンが差し出したゲームを見ると『 金太郎電鉄会社 』と書いてあった。


アリス

「 おーー ! これ知ってま~す。 友情を『 ブッ壊す 』ゲームだとアキナが言ってました~ 」



「 友情を壊すゲームかは別にして、ほどほどに節度を持ってやる分には問題無いんじゃないかなぁ 」


勇気

「 なら、お正月まで待て無いから 由利子先生達が帰って来るまで『 金・鉄 』をやろうよ ! 前から遊んでみたかったんだよね。

ジン、ナイスだね 」






【 由利子side 】


職員会議が、かなり長引いてしまったな。

私はハルトを車に乗せて大江戸家に向かった。


由利子

「 あの子達、きっとお腹を空かして待っているから、真っ直ぐ帰りますね」


ハルト

「 先に食べているのではないですか~ 」


由利子

「 あの子達は優しいから、たぶん待っていると思うわよ 」


ハルト

「 信頼しているんですね 」


由利子

「 同居して、半年以上立ちますからね。 少し癖があるけど皆、良い子達ですよ 」



ハルトと会話しているうちに家についたわ。

二人で玄関を開けて入ると、茶の間がとても賑やかだった。

どうやら五人でテレビゲームをやってたみたいね。


由利子、ハルト

「「 ただいま ! 」」



「「「「「 おかえりなさい ! 」」」」」


この返事があると本当に帰って来たんだと『 ホッ』とする私が居る。


そして、やっぱり食事は食べずに待ってくれていたみたいね。


ありがとう、みんな !



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