第124話 期末試験 ③

【 由利子side 】


いよいよ期末試験が、始まった訳だが……………

あれほど注意したのに、徹夜した奴らが数人いる。

これから三日間で、八教科の試験をやるのだが大丈夫か ?

特に深雪と博子は、目の下にくまを 作って眠たそうにしている。

試験準備期間に勉強しないで、何をやっていたんだ ?

この分だとクリスマスは、補習授業で潰れてしまうな(泣)

せっかく今年こそは、『 クリぼっち 』を避けられると思っていたのに

別の意味で、避けられれても嬉しくないわぁ !

一応、例年多い失敗を注意しておくか。


私は、教壇に立ち生徒達を見据えた。


今日子

「 起立 」「礼 」「着席 」


だいぶ、板に付いてきたな。


由利子

「 これから三日間に渡って期末試験がおこなわれる訳だが

皆、風邪など引かずに試験に挑める事は嬉しく思うぞ

只、寝不足な者が数名いるのは残念だが、くれぐれも試験中に寝ないように !

我々は、試験官として監督するから注意しないからな !

後、必ず最初に名前と出席番号とクラスの記入をするように !

例え、満点でも名前や出席番号、クラスの記入を忘れたら『 0点 』の扱いになるからな !

大切な事だから、もう一度言うが 名前、出席番号、クラスの記入は最初に記入するようにしなさい ! 」


流石に、真面目に聞いているな。


由利子

「 それでは筆記用具以外は、仕舞いなさい………

それでは、一教科目 国語の期末試験を始めます。

………では、始め ! 」


皆、答案用紙をひっくり返して名前を記入し始めた。


カリ カリ カリ カリ カリ カリ カリ カリ カリ カリ カリ カリ カリ


皆、どうやら言われた通りに名前や出席番号、クラスを記入しているな。

少しだけ ほんの少しだけ『 ホッ 』とした。


静かに問題を読み書き込んでいく生徒達を見ていると…………

始まって 15分も経たない内に、深雪と博子が コクリ コクリ と船をぎだした。


オイ オイ オイ オイ オイ いきなり居眠りする奴がいるかぁー !

よりによって私の担当教科の『国語 』で寝る奴がいるかぁー !


本当は駄目なんだが、仕方がない。

それとなく近くにより深雪や博子の身体を軽く揺すった。


ハッ となって目覚める二人


それから、目をこすりながらも試験用紙に集中し始めた。

何人か、私のした事に気がついたようだが 責める奴はいないようだな。


頼むぞ ! せめて『 国語 』だけでも『 赤点 』は勘弁してくれよ !



キ~ン コ~ン カ~ン コ~ン キ~ン コ~ン カ~ン コ~ン


由利子

「 はい、 それまで。 全員、筆記用具を置きなさい。

後ろから答案用紙を前の席に送りなさい 」


私は、答案用紙を回収して教室を出ていく用意をした。



今日子

「 起立 」 「 礼 」 「 着席 」


とにかく、一旦 職員室に答案用紙を運ばないとな。

私は、自分の教科だけでも守る事に成功したが、次の『 音楽 』の期末試験は、奴ら深雪、博子は爆睡するだろうな、『 音楽 』なら『 赤点 』でも補習授業がないから目をつぶろう。( 音楽教師には、悪いが許して貰おう)




案の定、二教科目の『 音楽 』の期末試験は 二人共深雪、博子、爆睡していたようだ。


音楽教師の 努檸美どれみ先生に文句を言われた。







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