第120話 冬の日常 ⑧


【 深雪side 】


博子には、負けない !

今、私は『 恋・バト 』をやっている。

ハードモードの『 茨城 冬香 』でPLAYしているんだけど、ライバルばかりでなかなか攻略が出来ないでいる。

何としてでも、『 茨城 恭介 』を堕とさないと博子に負けてしまうわ。

しばらく思考錯誤して、ようやくエンディングを迎えることができたわ。


よ~し、次はスーパーハードモードの『 茨城 春香 』と ウルトラスーパーハードの『 埼玉 愛 』を選べるようになったわ。

…………………博子に勝つ為には、『埼玉 愛 』で『 茨城 恭介 』を堕とさないと駄目だわ。


私は、埼玉愛でPLAYを始めたのだった。



♫♬♩♪♩♪♩♫♬♫


博子から電話が来た。

いつもは、メールですますのに珍しいなぁ~

電話にでると


博子

「 もしもし、深雪 !

ちょっと聞いてよ~。 私、埼玉愛でPLAYしたんだけど やっぱりこのゲームのスタッフは、 頭がおかしいよ ! 」



くっ、流石ライバルだわ。

既に、そこまで攻略が進んでいたのね。



博子

「 聞いてる、深雪 !

攻略を進めたら、『 福岡 姫子 』というライバルキャラが出て来てね。

これが、嫌らしいくらい強力なのよおぉ~ 。

それでね、………


深雪

「 はい、ストップ !

私は、これからなんだから『 ネタバレ 』禁止だよ ! 」


博子

「 ………ゴメン、後からメール頂戴ちょうだいね 」



私は、乙女ゲームの続きを始めたのだった。

やり始めて、やっと博子が騒いでいた訳が分かったのだ。


福岡姫子の前世が『 項羽 』で茨城恭介の前世が『 虞美人ぐびじん 』なんて、確かにこの乙女ゲームのスタッフの頭は、おかしいよー !




そんな時、お母さんから声がかかった。


深雪の母

「 深雪、 試験勉強しているの ?

偉いわね、 期末試験の結果が楽しみだわ 」



しっ シマッタァー !

すっかり完全にすっぽり忘れていたわ ?


いつの間にか、期末試験まで一週間を切っているわ !

私は、急いで博子にメールしていたのだった。










───彼女達の試験勉強は、間に合うのか ?

学生の皆さんは、この二人のようには成りませんようにしましょうね──


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