第83話 文化祭 ③

[ 勇気side]


うーん 僕って 化粧をしたこと無いから ジンに化粧をしてあげられないんだよね。

それは 瞳も同じで 家に帰って来てから リサーハルとして 楓が ジンに化粧をしている。


しばらくすると 楓が やりとげた顔をして 茶の間に戻ってきた。


「私の最高傑作よ ! 仁くん 入ってきてね 」


だけど 恥ずかしがっているのか なかなか ジンが入ってこない。


「 仕形ないなぁー 」

そう 言って 楓が ジンを迎えに行った。


「 ほら、 恥ずかしがらないで とっても綺麗よ 」


おずおずと ジンと楓が 入ってきた。


「………………………………………………………………」


「………………………………………………………………」


僕も 瞳も 声が出なかった。


綺麗だ ! 物凄い 美人だ ! 見惚れてしまった。


「 まっ 負けたぁ~ 」

瞳が 可笑しな事を言っているけど ほっておこう。


「 楓ちゃんの腕、凄いでしょう !

素材の良さも あったけどね…………瞳ちゃん、どうしたの ? 」


そこには 膝をツキ 両手を床に付けて項垂うなだれている瞳がいた。


「男に負けた………仁に負けた………女の私の立場がぁ……」


大袈裟おおげさだなぁー 確かに綺麗だけど

そんなに気にすることないのになぁ。




「 ただいまぁ~、 今日は 早く帰れたわ

お土産に すき焼きの材料を買って来たから 皆で食べまし……………誰 ? この美少女は 何処の子なの ?

うちの学園の生徒じゃ ないよね 」


由利子先生が お土産を買って帰って来た


楓が ジンを見せびらかして


「 ジャジャジャーン ! 何と 大江戸 仁くんでーす !

どう 極上美少女でしょ ‼️ 楓ちゃんが 化粧したんだよ 凄いでしょう ! 」


由利子先生が ほうけていた。


「 負けたぁ~ 」

そう 言って 由利子先生まで うずくまってしまった。


ジンは 恥ずかしがっているし


楓は 何が可笑しいのか 必死に笑うのを我慢してるし


瞳 や 由利子先生は 何か “ ショック ”を 受けたみたいで “ ブツブツ ”言っているし


僕には 解らないなぁー ?

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