第68話 それぞれの『夏』 ④
【勇気side 】
明日から新学期だ !
僕達は、明日の用意をしていた。
と、言っても クリーニングから返ってきた制服と夏休みの宿題をカバンにつめるくらいだけど。
そろそろお昼御飯を用意しないといけない時間だよ。
僕が台所に行くと、既にジンが天ぷらの用意をしていた。
舞茸、茄子、さつま芋、玉ねぎ、
美味しそうだね。
楓が、ホウレン草のお味噌汁を造っていた。
瞳は、大根おろしを擦っていた。
「手伝うよ、ジン ! 」
「ありがとう、ユウキ
お皿を用意してくれるかな
天ぷらを盛るお皿と天つゆを入れる《トンスイ》で良いから頼むねぇ~ ! 」
ジンが天ぷらをあげている。
慣れているなぁ~
僕は油が恐くて天ぷらを揚げた事はないんだ
普通に炒め物なら『
ジンが揚げた野菜の天ぷらを、お皿に盛っていく。
さつま芋の天ぷらを、ひとつ
甘くて美味しいなぁ。
「ア~ ! 勇気ちゃんが摘まみ食いしているわ !
芋は乙女の好物なんだよ、楓ちゃんにも
ギブ・ミー・イモ なんだよ ! 」
「 楓が食べるなら、私もひとつ欲しいな
私は
楓と瞳に見つかってしまったから『駄目』とは言えないよ~……ごめん、ジン。
出来上がった料理を茶の間に運ぶと由利子先生が昼寝をしていた。
ああいう大人には成りたくないなぁ~。
由利子先生を起こして、お昼御飯にした。
天つゆに大根おろしを多目に入れた。
揚げたての天ぷらを、天つゆにつけて食べると御飯がすすむなぁ。
合間に自家製の
由利子先生は、ご飯の代わりに缶ビールを
おかわりしていたけど、明日から新学期なのに大丈夫なのかなぁ~。
二日酔いとかに成らないといいけど……
……天ぷらは、綺麗になくなりました。
残ったら夜食にしようと思っていたのになぁ
【由利子side 】
揚げたての天ぷらには、冷えたビールが良く合うな。
グビグビとビールを飲んでは、天ぷらを食べる。
またビールを飲んでは天ぷらを食べるの繰り返しは、たまらんなぁー !
───子供達の冷たい視線に気づかないまま
由利子先生は、酔いつぶれて寝てしまっていたのだった。
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