第48話 夏休み ③

 勇気

「 せっかくの夏休みなのに宿題がありすぎだよ !

 本当に昔は、今より宿題が多かったの ?」


 由利子

「 本当よ。 軽く 約二倍はあったわよ 」


「「「「 うぇ~ 二倍ぃ~ 」」」」


 由利子

「そうよ。

 その上『自由研究』なんて、訳のわからない宿題もあったのよ」


 瞳

「 自由研究 ? 」


 四人とも、不思議そうな顔をしているわね。


 由利子

「 そう、『自由研究』

 自由な研究とはいうけど、採点は教師の独断と偏見で決まる面倒くさい宿題よ 」


 勇気

「 ウワァ~ !

 読書感想文より面倒くさい宿題があったんだね 」


 由利子

「 ムッ、読書感想文の何処が面倒くさいのよ !

 あれは感性を磨く素晴らしい宿題なのよ 」


「「「「 は~い 」」」」


 まったく、読書感想文だって昔と比べて自由に選べるのに。

 昔は『課題図書』と『自由図書』で二つも感想文を書いたのに。


 そういえば昔、『自由図書』の感想文に名作漫画の感想文を出して怒られたわね。

 ………生徒達には秘密にしておこう。



 そろそろ集中力が切れてきた頃ね。


 由利子

みんな、いったん休憩にします」


 勇気

「 じゃあ。 僕が麦茶を持ってくるよ」


 楓

「 私は、お茶菓子をだすね 」


 仁

「 ユウキ、 手伝うよ 」


 瞳

「 なら、私はテーブルの上をかたずけてスペースを空けることにするよ 」


 ………良いチームワークだわ。

 なんだかんだ言いながらも素直な子供達だわ。


 それに比べて、アイツらは………!



【 伊予side 】


「「「「 ハックゥション ! 」」」」


 私達は、くしゃみをした。

 伊予

「 う~ 誰か、噂でもしているのかなぁ 」


 聖子

「 もしかしたら男の子達じゃぁ ないの 」


 秋奈

「 モテる女はツラいねぇ~ 」


 今日子

「 誰かな 誰かな ? 」


 私達が話ていると今日子のスマホにメールがきたみたい。


 伊予

「 今日子、メール 誰から ? 」


 今日子

「 楓からだよ !

 え~と、なになに………

 大変だよ ! 全部、由利子先生にバレてるよ

 宿題は自力でやれって ! 」



「「「 えーーーー ! 」」」


 私達の薔薇色ばらいろの夏休みがぁー !



 ────夏休み終了まで 後 30日───

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