第49話 夏休み ④

【 瞳side 】


今日も夏休みの宿題をしている。

読書感想文だ !


昨日の夜に由利子先生が

「 やっぱり『読書感想文』の免除を無しにして頂戴ちょうだい

特別扱いすると、いろいろ問題があるのよ

代わりに今晩は『特上鰻重とくじょううなじゅう』をご馳走するから許してね 」


「 由利子先生、もう一声 ! 」


由利子

「 ハァ~~ わかったわよ

『 う巻き( 中心に鰻を入れた玉子焼き)』で、いいわね ! 」


その後、みんなで美味しく食べたけど

由利子先生が財布を見て、タメ息をしてたのが気になった。

いったい、いくらしたんだろう ?


【 由利子said 】


「 由利子先生、『ラノベ 』でもいいかなぁ? 」


由利子

「 本当は駄目なんだけど、特別に良いわよ」


「「「「 ヤッタァー ! 」」」」


皆がスマホをいじりだした。

便利な時代よね。

私より上の世代は、わざわざ書店に買いに行かないと読めなかったと聞いたわ。


今は電子書籍にネット小説があるから、家に居ながらにして新作が読めるんだから、この時代に生まれてラッキーだわ。


私も『 マルヨム 』で、お気に入りの物語でも読もうかな。

あっ あの作者様の新作があるわ !

これは、是非とも読まなければ !

夢中で読んでいる間に、子供達も読み終わったのか タブレットに感想文を書き始めたわ。

教頭先生が

『 昔は、原稿用紙に感想文を書いて提出していたわ。

字のきたない生徒の感想文は、読むのが大変だったのよ 」

と、懐かしそうに話していたけど……

つくづく、この時代の教師で良かった。

今は、タブレットを活用しているから『字が汚ない 』なんて関係ないからね。


由利子

「 感想文は、学校の『 サーバー』に送っておいてね。

『 作品名 』と『 サイト 』も書くのを忘れないでよ 」



「「「「 は~い 」」」」


まだまだ甘いなぁ 私。




その頃、某ファミリーレストラン

【 伊予side 】


今日子

「 まだ 一ヶ月あるから宿題は、なんとかなるでしょう 」


秋奈

「 それより読書感想文は、どうするの ?」


聖子

「 コピペで大丈夫でしょう。

いくら先生でも、そこまでチェックしないでしょう 」


伊予

「 他の宿題は、どうするの ? 」


今日子

「 瞳や勇気は、駄目だろうけど

楓は、交渉しだいだと思うよ 」


秋奈

「 楓は、優等生に見えるけど

本性は、結構ガメツイからね。

ハァ~ 何を要求されるやら 」


聖子

「 割り勘だからね !

みんなで割り勘だからね ! 」


なんだか嫌な予感がするけど、当たりませんように !

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