大江戸くんの恋物語

第8話 ボーイミーツガール ⑧

【楓side】

まだかなぁ～ まだかなぁ～

そろそろ仁くんが、見学に来るはずなんだけど

後輩の恵利が、仁くんが他の部活動を見学している情報を持って来たので待っているんだけど なかなか来てくれない。

アッ、また はずしてしまった……後輩達の声が聞こえる。

「 ねぇ 今日の楓先輩、おかしくない

いつもは、ほとんどはずさないのに今日は 的中なしよ 」

「馬鹿ねぇ 貴女 、知らないの ？

今日は、愛しの婚約者が見学に来るのよ ！

楓先輩でなくても 集中なんて出来ないでしょう 」

ううぅぅ～ 全部バレている。

そんなにわかりやすいかなぁ～

そうしていると 仁くん達が、 弓道部に入って来た。

次こそは、良い所を見せないと………

【 仁side 】

弓道部なんて 初めて見たけど独特な雰囲気が あるなぁ。

あの距離を当てるのかぁ………凄いなぁ～

楓ちゃんが 正座して『 気 』を静めている

だんだん『 気 』が小さくなり自然に溶け込んだみたいに成った時、静かに立ち上がり流れるように弓を構え 矢を引き絞り 的に向かって放った。

矢は、的に吸い込まれるように 中心に当たった。

一連の動作は、とても綺麗だった。

彼女は、同じ動作を繰り返し 矢は 同じように 中心に当たった。

すっ 凄いなぁ……これが彼女の実力かぁ

僕の婚約者達は、皆 武道の達人みたいだなぁ

僕も頑張らないと、彼女達にふさわしい男になろう と誓った。