第4話 ユーノの潜在能力は三つ子の中でも規格外

 新たな水晶を抱えてマーリンが戻ってきた。


「待たせたのじゃ。これならユーノ王子の魔力量も適性属性も調べられるじゃろう。」


「これは割れちゃった水晶と同じに見えるけどさっきのとは違うの?」


「そうじゃよ。これはアーティファクトと言うのじゃが、大昔に使われていた物じゃ、割れてしまった水晶はこれを模して作られた物じゃ。このアーティファクトと言われる水晶は世界中にいくつか存在し、所持している国で管理されているのじゃが、作ったのは大昔に存在した世界の大罪人と言われている魔法師で、その魔法師はとてつもない魔力量で、その当時存在した水晶では測れないので自分の魔力量を測れるようにと作ったと言われているのじゃ。

 どんな魔力量でも測れると言われているからこれならユーノ王子でも大丈夫じゃ。

 ワシも鍛えて魔力量が上がり、昔からある水晶では測れなくなり自分の魔力量を測れる水晶を完成させるまではこのアーティファクトの水晶で測っておったのじゃ。」


「それならわざわざ模した物を作らなくてもそのアーティファクトでみんなの測ればいいんじゃないか?」


 スーシェが疑問に思ったのかそんなことを言った。


「確かにそうなのじゃが、アーティファクトは国が管理しており王城にあるのでな。

 平民をやすやすと王城入れられないからワシの魔力量を測れるようにアーティファクトを模した物を作ったのじゃ。

 それに平民はそもそも魔力多くないし、魔力が多いと言われている貴族でもワシ以外はアーティファクトではない大昔からある水晶で事足りるからの」


「確かにそうですね。気まずく誰でも王城に入れては問題も起きますからね。」


「そうじゃな。ノースは賢いの。じゃあユーノ測ってみるのじゃ」


「はい。」


 大丈夫と言われたが、水晶を割ってしまっているユーノは恐る恐るアーティファクトの水晶に触れた。

 水晶は凄い光を放ったが今度は割れることはなかった。


「なな何、魔力量はワシの十倍、適性属性は全属性か。全属性の詳細は、なになに火・水・風・雷・土・光・闇・聖・無は勿論、何千年も適性者がいないと言われておる時空間までじゃとユーノは三つ子の中でも規格外過ぎるのじゃ~。」


 結果を見たマーリンの叫び声が響き渡った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生賢者は平穏で静かな暮らしを望む 紅 蓮也 @-T2Ya-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ