第42話 プール②
「次はあれ行こ!」
陽華の指差す方向を見るとそこにはウォータースライダーなるものが聳えだっていた。
「いい.....ぞ。」
よくよく見るとそのウォータースライダーは基本二人乗りのソリ(?)みたいなのに乗っている。カップルらしき人たちが2人で乗っているのも見える。あれに乗らないといけないのか。陽華は......気付いてないな。まぁ、乗りたいって言ってるしいいか。
俺たちはウォータースライダーの前まで歩いてきた。するとそこに
「乗ろ〜よ〜!」
「わかったよ。」
1組のカップルがウォータースライダーに乗ろうとしていた。こういうのって基本男子の方が好きなような気がするんだけど、案外女子の方が好きなのかな?と自問していると
「あれ?あっきー?」
どこかで聞いたことある声が聞こえた。いやいやまさかな。こんなところで偶然会うなんてこと.....
「やっぱりあっきー達じゃん!やっほ〜!」
まじでいるんかい!
「美結先輩!藤堂先輩!」
「やぁ、2人とも。」
そこにいたのは美結と俊佑の幼なじみカップルだった。
「2人は今日デート?」
「そうです!」
「お前らもか?」
「うん。」
どうやら考えていたことは同じらしい。まぁプールといったらここしかないから集まるの当然だな。
「美結先輩方もウォータースライダーに乗るんですか?」
「えぇ!もってことはあなたたちも乗るのね。」
「はい!」
女子は女子同士で話している間に俺は俊祐と話しておこう。
「まさかこうも偶然出会うとは思わなかったぜ。」
「僕もだよ。明たちのことだからどうせここに来ると思ってたけど日にちまで合うとはね。」
「どうせとはなんだ、どうせとは!」
「ははは。」
苦笑いではぐらかされる。
そうこう話しているうちに向こうの話が終わったみたいで
「2人とも~!行くよ~!」
と手を振っている。その姿に俊祐と苦笑いし歩いていった。
そのあとウォータースライダーの列に並び、他愛のない話を4人でしていた。
「次の方ー、どうぞー。」
係員の声が聞こえた。
「行ってくるよ。」
「それじゃあまたね。」
そう言って2人は降りて行った。
もう次だなと思って横を見るとそこには顔をこれでもかというほど赤面させた陽華が硬直していた。
「どうしたんだ?」
もう次だぞ。と続けようとしたところで
「あんなに密着するなのなの?」
と涙目で訴えてきた。
「......今更?」
それはとっくに解決したと思っていたんだがそうではなかったらしい。むしろ今気づいてパニックに陥っている。
「し、知ってたら教えてよ!」
「すでに知ってると思ってたんだが?」
オロオロしている陽華を見てから後ろを振り返って、
「もう引き返せないぞ。」
今俺たちも後ろには大勢の人が待っているし、一番上まで上がってきている。
「うぅ〜。」
と唸ってから
「......前と後ろ、どっちがいい?」
なんて禁断の質問をしてきた。前を選ぶと陽華のな、生足にに挟まれることになるし、後ろを選ぶと陽華が俺にもたれかかるようなに体勢になる。どちらを選んでも拷問に近い形になる。俺の理性がここで試される。
「次の方―、どうぞー。」
係員の声が聞こえた。もうあまり時間がないぞ!
「......前でお願いします。」
そして、前が俺、後ろが陽華の順番で乗ることになった。
陽華の太腿は最高だったとだけ言っておこう。
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