第39話 本田家での昼
「今日の夜ご飯はご馳走にしなきゃね。」
「そうだな。今日ほどめでたいことはあまりないからな。」
「盛り上がりすぎ...」
今の両親は初めて見るくらいはしゃいでいた。
「だって明が彼女を連れてきたのよ!盛り上がるのも無理はないわ。」
「...」
何も言えなくなった。
「陽華さんはどうするの?もしよければ夜ご飯を一緒にはどうだろうか?」
「ええっ!いいんですか!?」
「もちろんだとも。拒む理由もないしね。」
「ではお世話になります!」
なんか陽華まで加わってるし。
「そういえば2人はこれからどうする予定なのかしら?」
「とりあえず今日は一日中部屋でのんびりしようと思ってるけど。」
「そう。私たちはお昼ご飯を食べたら今日の夜ご飯の買い出しに行ってくるからね。」
「えっ?」
今なんて言った?
「お昼から2人きりだからといって変な気は起こしちゃだめよ。」
「そんなことくらいわかってるよ!」
「ならいいわ。」
いやよくないだろ!
その後、4人で昼ご飯を食べても本当に両親は家を出て行った。つまり、今俺と陽華は2人きりというわけである。
「あ~、なんかゲームでもするか?」
「はい。」
とりあえず他事をして気を紛らわそう。陽華もそう考えたのか俺の提案に乗ってくれた。
俺たちがはじめにしたのは赤い服を着たおっさんとゆかいな仲間たちがレースをする人気な某ゲームだった。
「それなら私もやったことあります!」
と自慢げに語っていたのでこれになった。気になるその実力はというと...
「バナナの皮を道端に捨てたらだめです!」
「甲羅ってそんなに滑るの!?」
というようにズタボロだった。
「やったことあるんじゃなかったのか?」
「やったことあるけど、ずいぶん前だったからはっきりと覚えてないの!」
(大丈夫なのかよ。)
陽華はコーナーを曲がるとき、曲がる向きと同じ方向に傾けている。ほんとにやるやついたんだな。可愛いからいいけど。
「勝てない!」
と駄々をこねだしたため、結局別のゲームに切り替えた。
次のやつはいろんなキャラクターがバトルする人気な某格ゲーだ。
「次は負けません!」
と言っていたが初めてやるようで俺が1から操作を教えていた。
「このボタンがジャンプで、こっちがガードな。」
「こう?」
「そうそう。それじゃあ一回NPCとやってみるか。」
「はい!」
そしてNPC対陽華の試合が始まった。
その結果、陽華は絶望的にゲームの才能がないということが発見した。そもそもNPCと試合にすらなっていないのだ。走れば穴に落ち、ジャンプすれば着地場所が穴で落ちていくのだ。むしろ穴に落ちるスペシャリストだろう。
挙句の果てには、
「もうゲームやりたくない!」
と言い出した。
結局ゲームをあきらめて俺の部屋に移動した。
「たくさん本あるね。」
「ほぼラノベとマンガだがな。」
「これおもしろそう。」
「それおもしろいぞ。」
「読んでみていい?」
「ここにあるのなら遠慮なく読んでいいぞ。」
そう言って陽華は俺のベットに寝転がり本を読み始めた。
「俺も読むか。最近あんま読めてなかったし。」
そうして2人して本に没頭していった。
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