第30話 衣替え
「先輩!おはようございます♪」
「....お、おはよう。」
なんてこともない普通の日。そこに佇むのはどこにでもいそうな男と誰しも振り向く美少女のペアだった。そう、いつもでもありそうな光景。しかし、男子にとって今日は一大イベントだった。そのイベントとは━━━━━
衣替えだ!
陽華の夏服って覚悟してたけど予想以上です。
張りのあるすべすべな二の腕、タイツを履いているがいつもより少し短めのスカート、生地が薄くなったことにより強調される高校生にしては大きめのアレ。(※見た感想です)まさに至高!
「ありがとうございます!」
「急になんですか!?」
おっと、つい声に出してしまった。
「それでその、夏服どうですか?似合ってます?」
「っ.......!」
反則だろ。その恥じらいからの上目遣いは...
「えっと...その..と、とてもよく似合っていて.....か、可愛い.....です。」
これが今の俺に言える言葉。これ以上は期待してくれるな。
「えへへ、ありがとうございます♪」
相変わらず人を惹きつける笑顔だな。まぁその笑顔に惹き付けられたのは俺だがな。
「せ、先輩も、か、カッコイイですよ。」
「っ.....あ、ありがとう。」
すると、急に陽華が余裕そうな笑みを浮かべて、
「照れてる先輩、可愛いですよ♡」
「...行くぞ...」
「あっ、待ってくださーい!」
陽華は気づいていないのだろうか?この無数の視線を。好奇、羨望、嫉妬、殺気etc...普通の男子高校生には辛いです。
「今度膝枕してあげましょうか?」
ニヤニヤとしながらそんなことを聞いてくる。どうせ俺の慌てふためく姿を想像しているだろうが甘いな。
「やってくれるならお願いしようかな。」
「なっ.....!?」
ふっ。予想通り赤面してやがる。陽華は俺をからかおうとして自爆するから今回はその応用だ。基本的に俺が恥ずかしいことは陽華も恥ずかしがっている。その証拠に耳が真っ赤になっている。だから、敢えて余裕ぶって答えることで陽華を返り討ちにできるということだ。まぁ、余裕ぶってるだけで実際には余裕ないけどね。
「それはずるいです〜!」
「ははっ。まだまだだな。」
「むぅ〜。」
頬っぺが膨らんでいてリスみたいだ。頬っぺをつつきたい。
とまぁ、これからを総じて一言。『夏服最高です!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます