第31話 梅雨入り
今年もジメジメとした暑さの夏がやってきた。正確には梅雨だが...
「まじで梅雨きらーい!髪がゴワゴワするー!」
「わかります。朝起きた時とかすごいですもんね。」
「そうそう!やっぱり陽華ちゃんは分かってくれるなぁ。しゅんくんとかあっきーとかに話しても共感してくれないんだよ!」
「まぁ男性は基本髪が短いですし、仕方ないですよ。」
梅雨について愚痴りあっている2人がいる。たまたま俺と陽華、俊佑と美結が登校で、というよりかは学校の正門であったため下駄箱まで4人で行っている。
「俺も梅雨は嫌いだぞ。雨があんまり好きじゃない。」
「僕もだよ。それに曇りの日が続くとあまりいい気分じゃないしね。」
「わかる!やっぱ天気は晴れじゃないと!」
「私は雨はそこまで嫌いではありませんよ。」
「えっ、まじ?」
「まじです。好きというわけではありませんが、雨だと相合傘ができるので。雨の日だからできる楽しみということです。」
「それは盲点だった!」
美結がほぇーと感心している。
この4人でいると誰かだけという時とは違ったたのしさがある。
だが、こうしてみるとやっぱり
「俺って普通だよな。」
「急にどうした?」
「だってさ、ここにいる3人は顔面偏差値高ランクじゃん?」
「そうね!」
「先輩もかっこいいですよ!」
「陽華ちゃんのそれはあっきーに通じないよ。」
「なんでですかー!」
すごくショックを受けている。可哀想だが、美結の言ったことは事実だ。
「だって、陽華ちゃんのは好きな補正がかかってるじゃん。」
「..........そんなこと、ありません。」
おい君、その長い間はなんだね?
「でも明は普通よりもいいと思うけどね。オシャレとかしたら変わるかもよ?」
「お前のフォローが嬉しいよ。まっ、オシャレなんて興味ないがな。」
「1回あっきーもオシャレしてみればいいのに。なんならうちら3人でコーディネートしてあげよっか?」
「先輩をコーディネート...いいですね、やりましょう!」
「やらないよ!?」
すごく目がキラキラしてるし。なんでそんなにオシャレさせたがるんだよ。すると俊介が俺に耳打ちしてきた。
「少なくとも日比野さんの隣にいても恥ずかしくないと自信を持つにはいい機会じゃない?」
「なっ!?お前...」
「そりゃわかるよ。どれだけ明の親友やってきたと思ってるんだい?」
どうやら俺の親友は鋭いらしい。
今日の空は晴れ寄りの曇りだった。
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